LUXMAN M-5
¥250,000(1997年8月発売)
解説
セパレートの資質にフォーカスし、1クラス上のグレードを追及したステレオパワーアンプ。
パワー部の回路構成は、ファイナル段を3段ダーリントン構成とし、低内部インピーダンス、大電流、高fTタイプ<Pc150W、Ic(max)=15A>のパワートランジスタによるコンプリメンタリー回路を採用しています。
また、BTL接続では300W/8Ωの高出力パワーアンプとしても発展可能です。
自然に伸びきった周波数特性の確保と、ハイスルーレートな音の立ち上がりを実現するため、ピュアコンプリメンタリー構成のCSSC(Complementary
Single Stagger Circuit)回路を採用しています。
CSSC回路は大きく区分して3つのパートに分かれており、入力側からコンプリメンタリー構成の差動増幅部となっており、2段目がCSSC回路の最大の特徴ともなっている電流伝送段で、この部分には高周波回路などでfT(遮断周波数)の高い伝送が必要となる部分に応用されているトランジスタによるベース接地回路を採用してます。そして最終段は出力回路で電力増幅部となっています。
ベース接地回路は高域におけるカットオフ周波数が高いため、1段目の差動増幅部の周波数特性がほぼCSSC全体を支配するといってもよく、わずかな最小限度の補正で安定動作を確保し、ハイスルーレートを実現しています。
回路の裸特性を練り上げてDCサーボアンプ等の介入なしに充分なDC安定度を確保するODβ回路によりNFBによるアンプ回路の安定動作と高い音楽性を両立させることに成功しています。
電源部は瞬時供給能力と安定性を追及し、トランスにはレギュレーションに優れた300VAのEIコアトランスを採用しています。2次側を4巻線とし回路ごとに分割することで電源を介してのノイズや回路間の干渉を回避しています。
また、整流部にはファーストリカバリーダイオードを使用し、さらにブロックコンデンサーも特殊高速充放電タイプを左右チャンネルに分割して搭載しています。
ノイズや干渉を徹底して排除するため、筐体はシャーシ・ベースに5点接地高密度FRPシャーシを採用し、電源部を中心としたシンメトリー構造としています。
シャーシ構造は役割の異なるセクション毎にセパレーターを配置したボックス遮断構造としています。
スピーカー端子にはバナナチップ端子やYラグも接続可能なオリジナル大型3ウェイ・タイプを装備しています。
左右チャンネルには入力レベルコントロールも装備し、バランス/アンバランスの入力切換えも兼ねた6接点独立抵抗切換型L/R独立タイプのアッテネーターを採用しています。
抵抗、コンデンサー、入出力端子など、高品位なカスタム・パーツをふんだんに投入しています。
正しい極性でのプラグインを可能にするため、ラインフェイズセンサーを搭載してます。
ワンタッチでインディケーター表示により極性の適正が確認可能です。
付属の電源ケーブルとして徹底したリスニングテストにより開発されたオリジナル電源ケーブルを標準装備しています。
また、ACインレットタイプとすることで他のケーブルとの取り替えも可能になっています。
また、電源スイッチの機能としてワイヤード・リモートコントロールの接続端子も搭載しており、ラインコントロールアンプC-10、C-9、C-7、C-5と連動して電源ON/OFFを行う事が可能です。
パワーメーターには対数圧縮型のものを採用しています。
アルミパネルと木製キャビネットを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
連続実効出力 | 100W+100W(8Ω、ステレオ時) 150W+150W(4Ω、ステレオ時) 300W(8Ω、モノラル時) |
入力感度 | 1V/100W(8Ω) |
入力インピーダンス | Coaxial:47kΩ Balance:80kΩ |
全高調波歪率 | 0.004%(1kHz、8Ω) 0.005%(20Hz~20kHz、8Ω) |
周波数特性 | 20Hz~29kHz +0 -0.1dB 10Hz~100kHz +0 -1.0dB |
S/N比 | 115dB(1kHz、IHF-A) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 240W(電気用品取締法規定) |
最大外形寸法 | 幅467x高さ196x奥行440mm |
重量 | 20.0kg |