LUXMAN L-80
¥72,500(1975年6月発売)
解説
L-80Vの姉妹機として開発されたプリメインアンプ。
L-80とL-80Vは基本的な回路構成は殆ど同じとなっており、出力と一部機能に違いがあります。
メインアンプ部は全段直結OCL方式で、出力段にはピュアコンプリメンタリー接続を採用しています。また、差動増幅回路は2段構成としており、メインアンプ部全体にわたる直流的安定度を高めています。とくに初段の差動増幅回路には高域遮断周波数(fT)が高く、コレクタ出力容量(Cob)の少ないトランジスタを厳選して使用すると共に、プリドライブ段を定電流で駆動する事で、出力段のB級動作によって発生するクロスオーバー歪の低減化を図っています。
プリアンプ部は基本的にC-1000の回路方式を採用していますが、パーツ類にはOPアンプを使用しています。
このOPアンプ用ICは裸のループゲインが高く、イコライザカーブに近似の周波数特性を持っているため、負帰還を十分にかける事で全帯域にわたる歪などの諸特性の改善とともに優れた安定性を実現しています。
中間アンプ回路には2段直結回路を採用しており、トーンコントロール回路にはLUX方式NF型を採用しています。
L-80では高域と低域とも左右チャンネルのトーンレベルが独立して調整できるようになっています。
ハイフィルターとローフィルター、ローブースト&ラウドネススイッチ、テープダビング、テープモニターなどの機能を装備しています。
プリアンプ部全段にわたって超ローノイズ型トランジスタを厳選して使用する事でS/N比を改善しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
連続実効出力 | 40W+40W(8Ω、両ch動作、20Hz~20kHz) 50W+50W(4Ω、両ch動作、20Hz~20kHz) 45W/45W(8Ω、片ch動作、20Hz~20kHz) 55W/55W(4Ω、片ch動作、20Hz~20kHz) |
全高調波歪率 | 0.1%以下(8Ω、40W、20Hz~20kHz) 0.05%以下(8Ω、40W、1kHz) 0.05%以下(8Ω、定格出力-1dB、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.1%以下(8Ω、40W、70Hz:7kHz=4:1) |
出力帯域幅 | 10Hz~40kHz -3dB(0.1%以下) |
周波数特性 | 10Hz~50kHz -1dB以内 |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2:2.5mV/65kΩ Tuner、Aux1、2:120mV/50kΩ |
SN比 | Phono:63dB以上、80dB(IHF-Aカーブ補正) Tuner、Aux:78dB以上、90dB(IHF-Aカーブ補正) |
トーンコントロール | LUX方式NF型 低域湾曲点:300Hz 高域湾曲点:3kHz |
フィルター | Low cut:20Hz(Subsonic)、70Hz High cut:7kHz、12kHz |
ダンピングファクター | 35(8Ω負荷) |
残留雑音 | 1.5mV以下 |
付属装置 | ローブースト&ラウドネススイッチ テープダビングスイッチ テープモニタースイッチ スピーカースイッチ テープコネクター |
使用半導体 | 2SC1222x4 2SA750x6 2SC1940x4 2SA915x2 2SD381x2 2SB536x2 2SD188Ax2 2SB545Ax2 2SD571x2 2SB605x1 2SC945x5 2SA733x1 IS1555x1 IN-4002x6 KBL-04x1 VD1221x4 RD12EBx2 RC4558x1 |
消費電力 | 150W(8Ω、両ch動作、最大出力時) |
外形寸法 | 幅450x高さ160x奥行300mm |
重量 | 9.5kg |