LUXMAN L-570Z's
¥500,000(1992年6月発売)
解説
音楽表現をよりピュアに再現することを目指して開発されたインテグレーテッドアンプ。
回路方式には常に大量の電流を流すピュアA級方式を採用しており、極めて品位の高いパワークオリティを確保しています。
また、瞬時応答性に優れたピュアA級方式の特質を利用し、聴感上の音楽のフェイズを時間軸に対してコントロールすることで、常に変動する音楽再生に対応しています。
電源部には大容量の電源トランスを搭載しています。さらに、レギュレーター回路や定電圧回路に独自のカスタムパーツをふんだんに投入しています。
信号経路の複雑な引き回しや音質的にネックとなるポイントを排除しており、シンプル化を図ることで音楽再生能力を高めています。
例えば入力の切換えには窒素ガス封入金接点リレーを採用しており、入力端子に近い最適な位置で行うことで信号経路の引き回しを最小限に留めています。さらに、このリレー回路はホット側のみでなくアース側も含めて切換えるため、選択信号回路以外は完全に切り離されることとなり、極めてピュアな信号経路を実現しています。
また、信号経路のシンプル化を図るため、スピーカーA/B切換えやヘッドホン端子を排除しています。
ボリュームにはアルティメートアッテネーターを採用しています。
一般的な連続可変型ボリュームは抵抗体の上を接触面がスライドするため、摺動部の迷走電流や接点材質などによって音質に限界がああるとされていました。
L-570Z'sに採用されたアルティメートアッテネーターはロータリースイッチ型アッテネーターとなっており、ガラスエポキシ金メッキ基板による32接点ロータリースイッチをベースに、非磁性体抵抗を1個1個マウントしています。これにより連続可変型ボリュームの音質上の欠陥を克服しています。
また、L-570Z'sでは専用に改良が加えられており、アルミダイキャストと押出材によるシールドケースに収められています。
ボトムシャーシには高剛性・大質量のセラミック入り特殊FRPを採用しており、音を濁らせる共振を徹底的に排除しています。さらに脚部には5点接地のインシュレーターを装備し、外部振動や内部振動の影響を抑えています。
ヒートシンクには高い放熱効果と急峻な減衰特性を持つ純銅製ハイエフィシェンシーラジエーターを独自に開発して採用しています。
金メッキ・キャップを用いた非磁性体抵抗、銅箔スチロールコンデンサー、ピュアフォーカス型電解コンデンサー、6N(99.9999%Cu)ケーブルなどのハイグレードなオーディオパーツを採用しています。
音質補正回路にはトーンコンペンセーターを採用しています。
この回路ではトーンコントロールのように大幅にf特を動かすのではなく、位相を重視した自然な補正が可能です。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
連続実効出力 | 50W+50W(8Ω、A級動作) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(8Ω、定格出力、direct on) |
混変調歪率 | 0.01%以下(8Ω、60Hz:7kHz=4:1、定格出力、direct on) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:0.1mV/100Ω CD、Tuner、Line1、2、3(XLR):150mV/47kΩ DAT/Tape1、Tape2、3:150mV/47kΩ Signal Processor:150mV/47kΩ |
SN比 (IHF-A補正、direct on) |
Phono MM:86dB以上(5mV入力) Phono MC:74dB以上(250μV入力) CD、Tuner、Line1、2:108dB以上(入力ショート) |
周波数特性(direct on) | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB Phono MC:20Hz~20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line1、2:10Hz~100kHz -1dB以内 |
トーンコンペンセーター | 最大変化量:±4.5dB |
付属装置 | ミューティング・インティケーター オペレーティング・インディケーター ダイレクト・スイッチ シグナル・プロセッサー・スイッチ レコーディング・セレクター モニター・スイッチ トーン・コンペンセーター ラインフューズセンサー |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 300W(電気用品取締法) |
ACアウトレット | Switched:2系統、最大200W Unswitched:1系統、最大300W |
外形寸法 | 幅438x高さ176x奥行467mm |
重量 | 30kg |