LUXMAN L-570X's
¥380,000(1992年10月発売)
解説
三代目の570として、L-570の要素を継承しつつL-570Z'sで得たノウハウを取り入れ、さらに技術を練り上げて完成したプリメインアンプ。
A級アンプの実績とノウハウを継承し、常にたっぷりと電流を流すピュアA級方式を採用しています。
L-570で追求したシンプル・イズ・ベストの考え方をさらに推し進め、新たに設計した回路基板を採用しており、入力端子からスピーカー端子に至る信号経路における複雑な引き回しや音質的なネックポイントを排除し、簡潔でスムーズな流れの確保を徹底しています。
また、入力部の切換には新タイプの金接点リレーを採用し、入力端子に近い最適な位置で入力の切換を行う事により、信号経路の引き回しを最小限に留めています。このリレー回路はホット側だけでなくアース側も含めて切換えるため、選択信号回路以外は完全に切り離され、ピュアな信号伝送を可能にしています。
さらに、スピーカーA/B切換えやヘッドホン端子さえ排除し、徹底したシンプル化が図られています。
電源部には、静特性ではなく動的なエネルギー供給能力を高める新設計のパワートランスを搭載しています。
さらに、レギュレーター回路や定電圧回路などには独自のカスタムパーツを採用しています。
この電源部によりローインピーダンスドライブ能力が向上しており、2Ω負荷時に200W+200Wと理論値通りの負荷駆動能力を獲得しています。
ボリュームには、ロータリースイッチ型アルティメット・アッテネーターを採用しており、連続可変型ボリュームで発生していた摺動部の迷走電流や接点材質による音質上の限界を排除しています。
これは、ガラスエポキシ金メッキ基板による32接点ロータリースイッチをベースに、非磁性体抵抗を1個1個マウントしたもので、さらにギャップ精度をより高めるなどの改良を加えることで使いやすさを向上させています。
より高音質化を図るため、カスタムパーツをふんだんに採用しています。
その他にも、金メッキ・キャップの非磁性体抵抗、銅箔スチロールコンデンサー、ピュアフォーカス型電解コンデンサー、高純度銅ケーブルなどのオーディオパーツを投入しています。
ボトムシャーシには高剛性かつ大質量のセラミック入り特殊FRPを採用しており、シンメトリックな重量バランスを持つコンストラクションとして共振を排除しています。
さらに、5点接地インシュレーターにより、外部振動や内部振動の影響を抑えています。
音質補正回路としてトーンコンペンセーターを搭載しています。
この回路では、従来のトーンコントロールのように大幅にf特を動かすのでなく、位相を重視した自然な補正が可能です。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
連続実効出力 | 50W+50W(8Ω、A級動作) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(8Ω、定格出力、direct on) |
混変調歪率 | 0.01%以下(8Ω、60Hz:7kHz=4:1、定格出力、direct on) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:0.1mV/100Ω CD、Tuner、Line1、2、3(XLR):150mV/47kΩ DAT/Tape1、Tape2、3:150mV/47kΩ Signal Processor:150mV/47kΩ |
SN比 (IHF-A補正、direct on) |
Phono MM:86dB以上(5mV入力) Phono MC:74dB以上(250μV入力) CD、Tuner、Line1、2:108dB以上(入力ショート) |
周波数特性(direct on) |
Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB Phono MC:20Hz~20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line1、2:10Hz~100kHz -1dB以内 |
トーンコンペンセーター | 最大変化量:±4.5dB |
付属装置 | ミューティング・インティケーター オペレーティング・インディケーター ダイレクト・スイッチ シグナル・プロセッサー・スイッチ レコーディング・セレクター モニター・スイッチ トーン・コンペンセーター ラインフューズセンサー |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 270W(電気用品取締法) |
ACアウトレット | Switched:2系統、最大200W Unswitched:1系統、最大300W |
外形寸法 | 幅438x高さ176x奥行467mm |
重量 | 30kg |