LUXMAN L-540
¥240,000(1989年2月発売)
解説
音楽に息づく生命を純粋なまま再現するというL-570と同じコンセプトで設計されたプリメインアンプ。
パワーアンプ部はM-07の設計思想を継承しピュアA級方式を採用しています。
この方式ではA級動作領域で必要なバイアス電流を常時流し、A級動作(15W+15W)を越える領域ではA級をベースにしたAB級動作へと自然に移行する構造となっており、A級の音質とAB級のパワーを得ています。
電源部は電源トランスの巻線を各ステージ毎に独立させており、出力レベルの異なる各ステージ間の影響を極力排除しています。
入力端子部にはフレキシブルスイッチと窒素ガス封入金接点リレーを採用することで多入力シンプル回路を実現しており、信号経路の短縮化と音質向上を実現しています。
フォノ回路は4イコライザーアンプ構成となっており、MCカートリッジ用アンプとMMカートリッジ用アンプをそれぞれ専用化して独立し、さらにL/Rも独立した作りとなっています。
MCアンプではスーパーローノイズHigh Gm FETをパラレル使用し、さらに定電流と定電圧を組合わせたローノイズ基準電圧電源の採用によって低インピーダンス・ローノイズ電源を実現しています。
また、MMアンプでは裸特性を向上させることでトータルなNF量をMCアンプと同量に抑えており、過剰なNFBによる音質への悪影響を排除しています。
抵抗やコンデンサー1本に至るまで全て音質対策パーツを採用しています。また、低インピーダンス化を図った太い線材の採用や、素材の厳選吟味など音質追及を徹底しています。
また、コンストラクション全体の無共振化を徹底するため、セラミック入り高密度FRPを採用した5点接地シャーシベースを採用しています。
音質補正にはトーンコンペンセーターを搭載しています。
シグナルプロセッサー入力/スイッチを搭載しており、グラフィックイコライザーなどに対応しています。
トーンコンペンセーターやモニター、シグナル・プロセッサー、バランスコントロールはダイレクトスイッチによってバイパスすることが可能となっており、各入力端子とパワーアンプを余分な接点を通すことなくダイレクトに結ぶシンプル化を実現しています。
スピーカーはAまたはBの単独使用だけでなく、A+Bの同時使用も可能です。
さらに、スピーカー切換スイッチもミューティング回路などを通さない配慮がされており、シンプル化が図られています。
録音出力切換用セレクターでOFF位置では録音出力がメイン回路から切り離され、音質劣化を防ぎます。
電源極性を正しく合わす事のできるラインフェーズセンサーを搭載しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
実効出力(8Ω、両ch同時動作) | 100W+100W A級動作領域:15W+15W |
全高調波歪率 | 0.015%以下(8Ω、定格出力、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.015%以下(8Ω、60Hz:7kHz=4:1、Direct) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:100μV/100Ω CD、Tuner、Line1、2、Tape1、2、Processor:150mV/50kΩ Balance/Line:150mV/50kΩ |
SN比(IHF-A補正、入力ショート) | Phono MM:86dB以上 Phono MC:74dB以上 CD、Tuner、Line、Tape:108dB以上 |
周波数特性 | Phono MM/MC:20Hz~20kHz ±0.3dB以内 CD、Tuner、Line、Tape:10Hz~100kHz -1dB以内 |
トーンコンペンセーター | 最大変化量:±4.5dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 300W(電気用品取締法の規定による) |
ACアウトレット | Switched:2系統、最大200W Unswitched:1系統、最大300W |
外形寸法 | 幅438x高さ176x奥行467mm |
重量 | 24kg |