LUXMAN L-500
¥250,000(1993年11月発売)
解説
CDをどこまで高品位に再生できるかというテーマのため、フォノイコライザーを搭載せずに、使用頻度の低い回路を整理して信号の流れを単純化し、内部レイアウトの合理化を追求したプリメインアンプ。
スピーカー切換スイッチやヘッドフォン端子さえも削除し、徹底したシンプル化より、ピュアな音楽再現力を獲得しています。
パワーアンプ部は全段直結ピュアコンプリメンタリーの一段増幅回路を採用したデュオβ回路のDC構成となっています。
回路内のリターン電流を細分化し、動作の基準点を明確化することで、ひとつひとつの音の透明感を確保しています。
また、電流増幅段では低インピーダンス負荷時に駆動能力を高めるために、3段ダーリントン接続を採用しています。
ファイナル段では150Wクラスのパワートランジスタをパラレル・プッシュプルで使用し、さらにプリ・ドライバー段では左右別々に定電圧電源を挿入するなど、贅沢な構成となっています。
電源部には340VA相当の大型トランスを搭載し、低インピーダンスでの高いドライブ能力を実現しています。
また、メインアンプ回路、パワーアンプのプリドライバー回路、プリアンプ回路、アクセサリー回路用にそれぞれ別巻き線で対応しており、性格の異なる回路ごとに分離供給することで回路間の相互干渉を防いでいます。
さらにメイン巻線は整流後に左右を分離し、4個のブロックコンデンサによって電源インピーダンスを下げ、瞬時の電源供給能力を高めることにより低インピーダンス駆動能力を支えています。
ボリュームには独自に開発した32接点ロータリスイッチ型のアルティメート・アッテネーターを投入しています。
金メッキ・パターンのガラスエポキシ基板に非磁性体抵抗をマウントし、ダイキャストと押出材でシールドを施すなど、あらゆる面でクオリティの向上を図っています。
音楽阻害要因である様々なノイズに対して対策が施されています。
セット外からのノイズに対してはライン・ノイズ・フィルターなどにより排除を徹底し、さらにアンプ内部のノイズ源の除去を図るとともに、高周波ノイズ対策を徹底することで、聴感上のS/N比を高めています。
純度の高い音楽再生のために、徹底した共振対策が施されています。
L-500ではシステム全体の強度を増すためにセンタートランス構造を採用し、重量を左右均等に配分することで優れた振動モードを実現しています。
また、パワー部は完全なシンメトリカル構成で、回路パーツごとにシールドを施すなどして振動や相互干渉を排除するとともに、漏洩フラックスにも充分な対策を施しています。
さらに、防振構造を徹底させた大容量のFRPボトム・シャーシの採用などで、外部・内部の振動の影響を抑えています。
電解コンデンサや銅スチロール・コンデンサなど随所にカスタムパーツを投入しています。
音質補正回路としてトーンコンペンセーターを搭載しています。
全帯域にわたり位相を重視した自然な補正が行えます。
電源極性を管理できるライン・フェイズセンサーを搭載しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
実効出力 | 50W+50W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(8Ω、20Hz~20kHz) |
入力感度/インピーダンス | 150mV/40kΩ |
周波数特性 | 10Hz~100kHz(-2dB以内) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 140W |
外形寸法 | 幅438x高さ155x奥行446mm |
重量 | 23.0kg |