
LUXMAN C-7
¥350,000(1996年4月発売)
解説
完全バランスCSSC回路を採用したコントロールアンプ。
C-7では全段直結ピュア・コンプリメンタリー構成のCSSC(Complimentary Single
Stagger Circuit)回路を完全バランス構成で採用しています。
CSSC回路は2段目にベース接地タイプの電流伝送回路を取り入れており、カットオフ周波数を充分に高くとることで余分な位相補正を必要としない自然な信号増幅を実現しています。C-7ではこのCSSC回路を完全バランス構成としており、アース電位差を完全に解消し基準点の明確化を図っています。これにより、それぞれのアンプが同じ時間軸上で動作することで位相差を完全に解消するとともに、信号に混入したノイズを互いに打ち消し、さらなる音質向上を実現しています。
また、入力信号の安定度を確保するためのインピーダンス変換には、非常にハイスピードな特性を持つコンプリメンタリー構成のディスクリートバッファーアンプを採用しており、入力インピーダンスを充分に高くとっています。
ラックスが永年にわたって蓄積したNFB技術を集大成したODβ(Optimaized Dual
NFB)回路を採用しています。
一般的なアンプではNFBによって再生帯域の音質調整を図っており、交流のNFBは中高域、直流のNFBは低域の音質に影響を与えています。この直流と交流別帰還の方式では、低域に影響の大きい直流帰還を制御するためにDCサーボアンプが挿入しているため、中高域と低域で音色に不統一感が発生していました。
C-7に採用したODβ回路では、回路の裸特性を練りあげ、100%の直流帰還をかけることでDCサーボアンプを排除しつつ直流安定性を確保しており、全ての帯域を自然な音色で統一しています。
電源部には独自のハイ・イナーシャ電源を採用しています。
ハイ・イナーシャ電源では、レギュレーションを高めるとともにカスタム電解コンデンサーなどの採用によって瞬時供給能力を向上しており、裸特性を練り上げることでレギュレーター回路自体の総合的な安定度を確保しています。そして、音楽のリアルタイムから遅れる過剰な制御を極小化し、必要最小限の制御のみを行うことで、小刻みに揺れる不自然な電圧変動をゆったりとした変動に変化し、聴感上自然な音質をもたらす給電を可能にしています。
振動吸収モードに優れた5点接地型の大質量FRPシャーシベースを土台とし、肉厚の硬質シャーシにパーツを強固に固定することで不要振動を抑えた高剛性コンストラクションを実現しています。
また、ノイズ対策も徹底して行われており、電源トランスやケミカルコンデンサー、アンプを隣り合わせる一般的な配置から生じるフラックスやノイズの発生を防ぐため、これらが直接干渉し合わない位置関係にレイアウトするとともにそれぞれのブロックをシールド板で遮断しています。
さらに、各ステージを合理的に細分化することで高周波ノイズや漏洩フラックスを排除しています。
電源部の漏洩フラックス対策として独立電源ルーム方式を採用しています。
漏洩フラックス対策として用いられる外部電源方式では、供給インピーダンスが上昇するために瞬時供給能力が失われ、レギュレーター電源としての効率が低下していまします。
C-7では、トランス、整流ダイオード、ブロックコンデンサーなどの電源部を信号経路と完全に分離した隔壁構造とする独立電源ルーム方式によって同一筐体内に電源部を収めながら漏洩フラックスを排除しています。また、本体シャーシとの結合もセミフローティング化することで様々な振動ノイズからの影響を遮断しています。
さらに、定電圧回路はアンプ側に配置し、制御の時間遅れや干渉ノイズの影響を抑えています。
高いレベルの音質を得るため、随所にカスタムパーツが使用されています。
C-7では非磁性体高音質タイプの大型カーボン皮膜抵抗や電解コンデンサー、銅スチロールコンデンサーなどにラックス仕様のカスタムメイド品を採用しています。また、各種切り替え機能には密閉型金張り接点リレーを採用しており、接点に研磨をかけて接触面積を広げたリレーによって情報伝達能力を改善しています。
レベルコントロールには完全バランス対応の低歪率・ローノイズ4連式レベルコントロールを採用しています。
このボリュームは接点によるノイズや位相の問題などを様々な角度から検討して新開発されたものとなっています。
トーンコントロールにはラックス式のNF型トーンコントロオールを採用しています。
入力端子はコアキシャル5系統とバランス2系統を装備し、出力端子はコアキシャル2系統とバランス2系統を装備しています。バイアンプ駆動についてもバランス/アンバランスの両方での接続が可能です。
テープ入出力も2系統搭載しています。
ラインフェイズセンサーを搭載しており、電源の極性を一目で確認できます。
電源ケーブルには音質にこだわったカスタムメイド品を使用しています。
このケーブルはACインレットタイプとなっています。
リモート端子を搭載しており、ラックスのパワーアンプB-10やM-7などと接続することでパワーアンプの電源オン/オフをC-7とを連動することができます。
フロントパネルには15mm厚のアルミパネルを採用し、キャビネットには光沢仕上げの木製キャビネットを採用しています。
C-7からC-7iへのバージョンアップサービスがありました。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
入力感度/インピーダンス | Tuner、CD、Line1~3:150mV/50kΩ バランスLine1/2:150mV/100kΩ |
出力レベル/インピーダンス | コアキシャル:定格1V/300Ω 最大7.5V バランス:定格1V/600Ω 最大7.5V |
全高調波歪率 | 0.005%以下(定格) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB |
S/N比 | 110dB以上 |
トーンコントロール | Treble:ターンオーバー3kHz、最大±8dB、10kHz±6dB Bass:ターンオーバー300Hz、最大±8dB、100Hz±6dB |
付属装置 | テープダビング2系統(1→2、2→1) Rec off ストレートスイッチ 出力モード切替スイッチ リモート(Power)出力 ライン・フェーズ・センサー 出力位相切替スイッチ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 38W(電気用品取締法) |
最大外形寸法 | 幅467x高さ187x奥行435mm |
重量 | 18.0kg |
その他 | C7iへのバージョンアップ(¥50,000) |