LUXMAN 5L15
¥168,000(1977年2月発売)
解説
ラボラトリーリファレンスシリーズのDC構成プリメインアンプ。
5L15はラボラトリーリファレンスシリーズのパワーアンプ5M21にプリアンプ5C50のイコライザー回路を組み込んだ構成となっています。
5L15の基本構成はイコライザー回路とパワーアンプ回路で成り立っており、全てのプログラムソースを忠実に増幅するためにDCアンプ構成を採用しています。これにより低域における位相歪や高域におけるトランジェント歪を追放しています。
このDCアンプ構成では温度やその他の外部条件の変化に伴なうDCドリフトが問題となりますが、5L15では、新規開発されたFETを用いた差動増幅回路と、これを補助するカスコード回路、カレントミラー回路、定電流回路などを回路ごとに封入してブロック化したDML-IC(Dual
Monolithical Linear-Integrated Circuit)を搭載することで解決しています。
パワーアンプで問題になるノッチング歪を追放するため、出力段に使われる素子の検討とドライバー段のスイッチング・スピードを早める回路的な工夫が施されており、ABクラス動作でありながらAクラス動作を凌ぐノッチング歪レベルを実現しています。
全ての回路に最大限の力を発揮させるため、カスコード回路、カレントミラー回路、エミッターフォロア回路、定電流駆動回路などを適所に配しており、基本性能の改善とDCドリフト防止に役立てています。
機能を必要最小限にとどめた設計となっており、トーンコントロールなどの音質調整機能は全て省略されています。
8Ω負荷時の平均出力をW表示する左右チャンネル独立型の大型パワーメーターを搭載しています。
このメーターにはレンジ切換え機能を搭載しています。
DCオフセットセンサーを搭載しており、外部からDC成分が入力されたかどうかをチェックできます。
また、入力コンデンサーIN/OUT切換え機能を搭載しており、出力端子にDC成分が現れたときにメイン部入力のところで遮断できます。
プリセット付きのアッテネーターや2系統のテープモニター機能、テープダビング機能などを搭載しています。
保護回路として、出力端子に±2.5V以上の直流電圧が現れた時や過大入力が入った時にスピーカーを保護するために動作するDCドリフト検出回路兼過大入力検出回路や、スピーカー端子やスピーカーシステムの端子でショートさせた時にパワートランジスタに渦電流が流れて破壊されるのを防ぐ渦電流防止回路を搭載しています。
ラボラトリーリファレンスシリーズでは、下部に脚を、上部に受け金具を付け、この間を金属支柱で支えるという構造を採用しています。これにより積み上げた際に下になった製品に無理な荷重がかかりません。
また、脚と受け金具はぴったりと組み合わさるため、ズレたり倒れることがありません。
別売のオプションパーツとしてEIA規格の標準ラックマウント用金具がありました。
機種の定格
型式 | DC構成プリ付きパワーアンプ |
連続実効出力 | 80W+80W(8Ω、両ch同時動作、20Hz~20kHz) |
全高調波歪率 | 0.02%以下(8Ω、80W、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.02%以下(8Ω、80W、60Hz:7kHz=4:1) |
出力帯域幅 | 5Hz~100kHz(8Ω、0.1%、-3dB) |
ダンピングファクター | 80以上(8Ω負荷、1kHz) |
入力感度 | Phono:2.7mV Tuner、Aux1/2、Main in:300mV |
SN比(IHF-Aカーブ補正、 入力ショート) |
Phono:80dB以上 Tuner、Aux1/2、Main in:100dB以上 |
周波数特性 | Phono:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、Aux1/2、Main in:DC~100kHz |
出力電圧 | Pre out:300mV(標準) Rec out:300mV(標準) |
保護回路 | DCオフセットセンサー DCドリフト検出によるスピーカー保護回路 渦電流防止回路 |
付属装置 | 左右チャンネル独立型パワーメーター メーターレンジ切換え 入力コンデンサーIN-OUT切換え ピークインジケーター接続用端子 ヘッドホンジャック Phonoサブソニック回路 テープモニター(2系統) テープダビング回路 アッテネーター |
消費電力 | 380W(8Ω、両ch同時動作、定格出力時) |
外形寸法 | 幅442x高さ146x奥行400mm |
重量 | 13.3kg |