Lo-D FT-420
¥45,000(1975年発売)
解説
安定受信・高忠実再生のハイコストパフォーマンスチューナーとして発表されたAM/FMステレオチューナー。
フロントエンドには周波数直線形4連バリコンを採用し、低雑音MOS FETと相まって優れた感度と妨害排除能力を得ています。
中間周波増幅段にはICによる差動4段増幅と、位相特性に優れたセラミックフィルター3素子を採用し、優れたリミッタ特性を持たせるとともい混信除去効果を得ています。
また、IC化されたクオドラチュア検波は、帯域が広く低歪を実現するとともにキャプチャレシオの改善を実現しています。
オートロック・チューニング機構を搭載しています。
この機能では最良受信点で電波をキャッチするとその受信周波数を安定に保持します。このため歪やセパレーションを最良の状態で安定に受信できます。
これは日立のIC HA-1137の自動制御の働きにより実現しています。
MPX回路には日立が開発したIC HA-1156によるPLL回路を搭載しており、周囲温度の影響や経時変化に強い受信特性が得られます。
局間ノイズや離調時の雑音を抑えるためミューティング回路を搭載しています。
この回路は日立の開発した通信機用リードリレーと、ICによる制御回路で構成されています。
AMチューナー部には非同調形高周波増幅回路を採用しており、セラミックフィルターによる優れた選択度とICによるAGC特性により混信や電波の強弱に強い受信を実現しています。
また、IC化されたバランス型ミキサー回路の採用によってスプリアス特性を改善しています。
シグナル・チューニングの2メーター方式を採用しています。
出力端子には固定と可変の2系統が設けられています。
FMマルチパス端子や4ch out端子を搭載しています。
別売りオプションとしてウッドケースがありました。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー | ||||
<FMチューナー部> | |||||
回路方式 | デュアルゲートMOS FET使用 RF 1段 4連バリコン 4段差動IF増幅 広帯域直線検波器 PLL MPX |
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実用感度 | 1.7μV(IHF) 3.0μV(S/N 50dB、mono) 40μV(S/N 50dB、stereo) |
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S/N | mono:73dB stereo:68dB(13.6kHz、LPF使用) |
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高調波歪率 |
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キャプチャレシオ | 1.0dB | ||||
実効選択度 | 80dB | ||||
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.2 -2dB | ||||
セパレーション | 50dB(1kHz) 38dB(50Hz~10kHz) |
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イメージ妨害比 | 85dB | ||||
IF妨害比 | 90dB | ||||
スプリアス妨害比 | 100dB | ||||
AM抑圧比 | 52dB | ||||
キャリアリーク抑圧比 | 65dB | ||||
ミューティング動作レベル | 24dB | ||||
アンテナ | 300Ω平衡型、75Ω不平衡型 | ||||
<AMチューナー部> | |||||
回路方式 | 同調形RF1段、3連バリコン | ||||
実用感度 | 18μV(IHF) 300μV/m(バーアンテナ) |
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選択度 | 36dB | ||||
S/N | 50dB | ||||
イメージ妨害比 | 40dB | ||||
IF妨害比 | 55dB | ||||
<総合> | |||||
出力レベル/インピーダンス | Fixed:0.65V/6kΩ以下 Variable:0.04V~1.2V/1kΩ以下 4ch out:0.2V/1kΩ以下 |
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使用半導体 | トランジスタ:14個 FET:1個 IC:4個 ダイオード:21個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
ACアウトレット | 電源スイッチ非連動:1系統 | ||||
定格消費電力(電気用品取締法) | 18W | ||||
外形寸法 | 本体:幅435x高さ144x奥行394mm ウッドケース使用時:幅467x高さ179x奥行400mm |
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重量 | 7.5kg | ||||
別売 | ウッドケース LA-200(¥6,500) |