Lo-D D-600
¥68,000(1975年発売)
解説
前面操作方式を採用したステレオカセットデッキ。
トランスポート部はD-3500に採用したメカニズムと基本設計を同じ独立駆動メカニズムを採用しています。
このメカニズムでは、フライホイールは1本の平ベルトで専用にドライブさせ、FF/REW時は別のベルトを使用してフライホイールの回転を作動させています。これにより、DCサーボモーターの採用と相まって優れたワウフラッター特性を獲得しています。
コンポスタイルのカセットデッキの操作性を向上するため、ワンアクションイジェクト機構を採用しています。
この機構では、イジェクトボタンを押すとカセットドアが上へ上昇し本体に収納されます。それと同時にカセット受け板が上がるため、手軽なカセット操作が可能です。
さらに、ヘッドを奥に配置しているため、ヘッドクリーニングが容易という特徴も併せ持っています。
録再ヘッドにはAF(オールフェライト)ヘッドを採用しています。
このヘッドは、1.5μナローギャップ仕上げのバランス巻線方式を採用しており、広帯域周波数特性を獲得するとともに、S/Nや耐久性を改善しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーシステムを搭載しています。
ドルビーシステムでは、ノイズ発生以前の段階で低レベル/中高域信号を強調して録音し、再生時には低レベル/中高域信号を全く同じレンジだけ下げて再生する構造となっています。
これにより、周波数特性や過渡特性を悪化させずにヒスノイズを低減し、SN比を最大10dB改善しています。
メーター回路にはピークメーターを採用しており、VUメーターの1/3以下の応答時間で的確に入力波形の尖頭値を指示できます。また、このメーターはスイッチの切換えによってVUメーターとしても使用できます。
ローディ独自の新メカニカルフルオートストップ機構を採用しています。
この方式では、エレクトロニカル方式に見られる電源や電圧の変化による誤動作や、検出ブラシによるノイズ、寿命低下などの不安定要素を改善しており、信頼性やSN比、寿命を向上しています。
タイマー連動のオートスタートメカニズムを搭載しています。
ポーズ状態にしてタイマーと組み合わせることで、留守録音が可能です。
ロータリー式録音・再生独立レベルコントロールを搭載しています。
3桁テープカウンターを搭載しています。
Fe-Cr、ノーマルテープ、CrO2に対応したテープセレクターを搭載しています。
このセレクターは、CrO2テープ用に70μsの新規格時定数を採用しています。
FM MPXフィルターを搭載しています。
インプットセレクターを搭載しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック2チャンネル |
録音方式 | ACバイアス方式 |
発振周波数 | 105kHz |
消去方式 | AC消去方式 |
ヘッド | 録再:AF(オールフェライト)ヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | DCサーボモーター |
ワウ・フラッター | 0.08%(WRMS) |
歪率 | 2.0%(1kHz、0dB) |
周波数特性 | クロームテープ:20Hz~18kHz スペシャルテープ:20Hz~16kHz ノーマルテープ:20Hz~14kHz |
S/N | Dolby on:60dB Dolby off:53dB |
入力感度/インピーダンス | Mic:0.25mV/300Ω~5kΩ(適合) Line:50mV/100kΩ以上 DIN:0.25mV/2kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:50kΩ以上 DIN:50kΩ以上 Headphone:8Ω~2kΩ |
使用半導体 | IC:9個 トランジスタ:19個(FET含む) ダイオード:25個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅435x高さ144x奥行300mm |
重量 | 6.5kg |
付属 | USピンコード UD(C-60)生テープ ヘッドクリーニング棒一式 |