Lo-D HMA-8300
¥140,000(1976年発売)
解説
ダイナハーモニー(E級ドライブ)方式を採用したステレオパワーアンプ。
ダイナハーモニー方式は、音楽のレベル分布の解析を通して、アンプの大出力化を効率良く実現した回路方式で、音楽信号のピークには大出力、通常は小出力として働き、実効的に大出力アンプと同等の動作をします。
これによりアンプの軽量化、安全動作領域の拡大、低価格化、低歪率化を実現しています。
パワー部にはダイナハーモニー方式を採用し、低圧電源、高圧電源の各々±2電源(合計4電源)で構成されており、これにより大出力を実現しています。
A級ドライバー回路にはカレントミラー回路を採用して、パワー段駆動を行っています。
ピーク出力レベルがパワーの値で直読できる外磁形のメーターを搭載してます。
レコードのソリなどから発生する可聴帯域外の有害振動を排除するサブソニックフィルターを搭載しています。
このフィルターは必要に応じてon-offすることが可能です。
電源部に採用されたトランスは約9kgの重量級のものを採用しており、電源用ケミコンにはアースインピーダンスの低い18,000μF(63V)±2電源デュアルケミカルコンデンサー2個と10,000μF(125V)2個の4つのコンデンサを採用しています。
大パワー化にともない、スピーカーリレーには定格電流(AC15A)、サージ電流(AC60A)の新設計の大電源用を採用しており、直流遮断も可能なものとなっています。
さらに、接点構造は銀接点で接触面積を大きくとっており、25mΩ以下に抑える事で音質劣化を低減しています。また、大パワー化にともなう大出力遮断時に問題となる接点間アーク放電を、内蔵しているマグネットにより磁気を吹き消す構造にしているため、長期間使用しても接触抵抗等の劣化が少なくなっています。
写真で使用されているキャリングハンドルは別売りオプションとして販売されました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
回路方式 | 2段差動増幅全段直結4電源高能率純コンプリメンタリーOCL (ダイナハーモニー方式) |
ダイナミックパワー | 800W(IHF、8Ω) |
実効出力 (両ch駆動、THD 0.1%) |
200W+200W(4Ω、20Hz~20kHz) 200W+200W(8Ω、20Hz~20kHz) 220W+220W(8Ω、1kHz) |
全高調波歪率 (20Hz~20kHz) |
0.1%以下(実効出力時) 0.005%以下(100W出力時) 0.03%以下(1W出力時) |
出力帯域幅(IHF) | 5Hz~30kHz(8Ω) |
周波数特性 | 5Hz~80kHz +0 -1dB |
入力感度/インピーダンス | 1V/50kΩ |
負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω |
ダンピングファクター(8Ω) | 50(20Hz~20kHz) 100(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 80dB(1kHz、8Ω) |
S/N(IHF、Aネットワーク) | 110dB |
使用半導体 | トランジスタ:40個 ダイオード:47個 IC:2個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 210W |
外形寸法 | 幅435x高さ182x奥行395mm |
重量 | 24kg |
別売 | キャリングハンドル TA-1(¥5,000) |