
Lo-D HMA-7300
¥140,000(1977年頃)
解説
A級動作の音質とダイナハーモニー方式を組み合わせたステレオパワーアンプ。
A級動作のプッシュプル回路は、B級プッシュプル回路に比べ偶数次高調波を含まず、奇数次高調波のみを含むため、本質的に歪が低減できます。また、トランジスタが常時動作しているため小出力時に耳につきやすいノッチング歪やクロスオーバー歪の発生がありません。
HMA-7300では20W+20Wまではつやのある音色を実現するA級動作とし、それ以上のレベルではE級動作(100W+100W)とするA級ダイナハーモニーとすることで、音質とハイパワーの両立を図っています。
A級同ライバー回路にはカレントミラー回路を採用しており、パワー段のプッシュプル駆動を行っています。そして、カレントミラー回路の機能を十分に引き出すためパワー段を3段ダーリントン構成としています。これにより電波増幅率の非直線性等の影響を軽減し、低歪を得ています。
さらに、A級動作範囲では出力段をパラレルプッシュプル構成とすることでさらなる歪低減を実現しています。
外磁形の大型レベルメーターを搭載しており、ピーク出力レベルがパワーの値で直読できます。
このメーターには対数圧縮回路を採用しているため、0.01Wから310W(-40dB~+5dB)まで感度切換なしで直読できます。
電源部には22,000μF/42Vを2個と10,000μF/80Vを2個の合計64,000μFのコンデンサを使用しています。このコンデンサをアルミ電極箔の数ヶ所から電極を引き出す多端子構造とすることで高周波までの交流インピーダンスを下げています。しかも約9kgの重量級電源トランスとの組合せにより大出力にも対応しています。
スピーカーやパワートランジスタを保護する電子式保護回路を内蔵しています。
また、ミューティング回路を搭載しているため、電源スイッチON-OFF時のショック音が低減されています。
キャリングハンドルは別売りでした。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
回路方式 | 2段差動増幅全段直結4電源高能率純コンプリメンタリーOCL (A級ダイナハーモニー方式) |
ダイナミックパワー | 300W(8Ω、IHF) |
実効出力(20Hz~20kHz) | A級動作時:20W+20W(8Ω、両ch駆動) E級動作時:100W+100W(8Ω、両ch駆動) |
全高調波歪率(1kHz、8Ω、両ch駆動) | 0.05%以下(実効出力時) 0.005%以下(50W出力時) 0.002%以下(20W出力時) |
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) | 0.015%(実効出力時) 0.015%(50W出力時) 0.03%(10W出力時) |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動) | 5Hz~25kHz |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -1dB |
入力感度/インピーダンス | 1V/50kΩ |
出力端子 | スピーカー:A/B |
ダンピングファクター | 100(1kHz、8Ω) |
S/N比(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | 110dB |
使用半導体 | トランジスタ:51個 ダイオード:71個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 170W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅435x高さ182x奥行408mm |
重量 | 24kg |
別売 | キャリングハンドル TA-1(¥5,000) |