Lo-D HCA-7500
¥60,000(1977年頃)
解説
7500シリーズのコントロールアンプ。
イコライザー回路は、初段にローノイズバイポーラトランジスタを採用し、2段目を定電流負荷、最終段にピュアコンプリメンタリープッシュプル回路を使用した3段5石構成としています。そして、±32V電源によってドライブしています。
従来の回路ではダイナミックレンジの拡大としてフォルテシモの方に目が向けられていましたが、ピアニシモの方は素子自体の発生する雑音で抑えられるため実現は困難でした。HCA-7500においては素子を精選し、かつ雑音発生のメカニズムを検討した回路構成を採用することで優れたSN比を確保しています。
入力、出力ともに新開発コンデンサーを採用しています。
カートリッジロード切換スイッチを搭載しており、負荷抵抗4段と負荷容量4段の切換を行うことで各種カートリッジに対して最適負荷の選択が可能です。
トーンコントロール回路は初段FET差動定電流方式バイポーラプッシュプル3段直結回路で6石構成となっています。厳選されたローノイズFETや高耐圧ローノイズトランジスタを駆使することで低歪を達成しており、定格出力1V以下では20Hz~20kHzの帯域にわたり、歪成分が残留ノイズに対して検出困難なほどの低歪を達成しています。
HCA-7500では、トーンボリュームが中央でディフィートとなり、うねりの無い音質可変が連続的に行える方式を採用しています。さらに、ターンオーバー周波数の切換えやトーンディフィートスイッチによって幅広い音質補正が可能です。
シャープの特性のローフィルターと、ハイフィルターを搭載しています。
ボリュームには32接点ディテントボリュームを採用しています。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ | ||
回路方式 |
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入力感度/インピーダンス | Phono1、2:2mV/100Ω、10kΩ、50kΩ、100kΩ/100pF、200pF、300pF、400pF Tuner、Aux、Tape play1、2:100mV/50kΩ |
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最大許容入力 | Phono1、2:350mV(RMS、1kHz、歪率0.01%) | ||
出力レベル/インピーダンス | Tape rec out:100mV/600Ω Output:1V/600Ω |
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周波数特性 | Phono1、2:20Hz~20kHz ±0.2dB Tuner、Aux、Tape play1、2:5Hz~100kHz +0 -1dB |
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S/N比(IHF-Aネットワーク) | Phono1、2:87dB Tuner、Aux、Tape play1、2:100dB |
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高調波歪率(20Hz~20kHz) | Phono1、2:0.005% Tuner、Aux:0.005% |
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トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
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フィルター | Low:15Hz、12dB/oct High:8kHz、6dB/oct |
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使用半導体 | FET:4個 トランジスタ:25個 ダイオード:12個 |
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ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:2系統 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
定格消費電力 | 10W(電気用品取締法) | ||
外形寸法 | 幅480x高さ166x奥行348mm | ||
重量 | 8kg |