
Lo-D HA-5300
¥59,800(1975年発売)
解説
ダイナハーモニー方式を採用したプリメインアンプ。
パワーアンプ部にはダイナハーモニー方式を採用しています。
この方式では、音楽信号のピークは大出力、通常は小出力として働くことで実効的に大出力アンプと同等の動作を実現しています。これによりアンプの軽量化と安全動作領域の拡大、低価格化、低歪率化を達成しています。
HA-5300では低電圧として±25V、高電圧として±57Vの4電源を用意し、実効出力75W+75W、ピークパワー150W+150Wを達成するとともに、通常のアンプに比べて約2倍のダイナミックマージンを獲得しています。
パワーアンプ部はドライバー段に差動2段カレントミラー回路を採用しています。
イコライザー回路は初段FET差動3段直結構成とし、入力には位相特性を改善したICL(コンデンサーレス)方式を採用しています。これによりカートリッジの出力信号が入力コンデンサーによって劣化するのを防いでいます。
また、回路をFET及びトランジスタの直流動作を拡大させるよう工夫することで低歪率化を図っています。
カートリッジの負荷容量の違いによる音質変化に対応するため、負荷容量の切替機能を搭載しています。
ボリュームコントロールには多重接触方式の32接点ディテントボリュームを採用しています。
また、加算式3段ゲインセレクターを装備しており、-5dBから-35dBまでの7段階で調整できます。
ローフィルターやハイフィルター、トーンディフィート回路を搭載しています。
2系統のテープ入出力端子を搭載しています。
ラウドネススイッチを搭載しています。
スピーカーやパワートランジスタを保護する電子式保護回路を搭載しています。
キャリングハンドルは別売りオプションでした。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 差動2段全段直結4電源高能率純コンプリメンタリーOCL (ダイナハーモニー方式) |
ダイナミックパワー | 300W(150W+150W、8Ω、IHF) |
実効出力 | 75W+75W(8Ω、両ch駆動、1kHz) 60W+60W(8Ω、両ch駆動、20Hz~20kHz) 110W/110W(8Ω、片ch駆動、1kHz) |
全高調波歪率 | 0.05%(実効出力時) |
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) | 0.05%(1/2実効出力時) |
出力帯域幅 | 10Hz~50kHz(IHF) |
出力端子 | スピーカー端子:A/B(4Ω~16Ω)、A+B(8Ω~16Ω) ヘッドホン端子:4Ω~16Ω |
ダンピングファクター | 50以上(1kHz、8Ω) |
<プリアンプ部> | |
回路方式 | イコライザーアンプ:初段FET差動3段直結4石構成ICL コントロールアンプ:NF型 |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2:2mV/50kΩ Tuner、Aux、TapePB1、2:100mV/50kΩ |
Phono最大許容入力 | Phono1、2:350mV(RMS、1kHz) |
出力レベル/インピーダンス | Tape rec out1、2:100mV/1kΩ |
周波数特性 | Phono(RIAA偏差):30Hz~15kHz ±0.2dB |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
フィルター | Low:20Hz、12dB/oct High:8kHz、6dB/oct |
ラウドネスコントロール(Vol-30dB) | +8dB(100Hz)、+4.5dB(10kHz) |
ゲインセレクター | -5、-10、-20dB(加算可能) |
<総合> | |
使用半導体 | FET:6個 トランジスタ:44個 ダイオード:43個 |
ACアウトレット | 3系統 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 120W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅435x高さ166.5x奥行391mm |
重量 | 12kg |
別売 | キャリングハンドル TA-4(¥4,000) |