
KRELL KSA-50S
¥600,000(1994年頃)
解説
KSA-Sシリーズの小出力ステレオパワーアンプ。
基本設計はKSA-Sシリーズの上位モデルと同じものとなっていますが、リモコンが付属していません。
純クラスA動作の消費電力と発熱の問題を解決するため、新開発のサスティーンド・プレイトゥ・バイアステクノロジーを採用しています。
KSA-50Sでは3段階にバイアスレベルを設定しており、アイドリング時から最大出力時まで入力信号に応じた純クラスA動作を確保しています。この回路によって大パワーと純クラスA動作を並立し、熱効率の改善と省電力化を実現しています。
音楽信号による瞬時の入力変化にも余裕をもって対応するため、バイアスレベルを設定する回路にハイスピード(1,800V/μsec)の新開発アンティシペーター回路を採用しています。この回路によって瞬時の音の立ち上がりにも音楽信号の約200倍の速度でバイアス設定することで対応しています。また、このレベルを一定時間保持することで常時バイアスが変動することによる不安定さを解消しています。
電源部には800VAの強力なトロイダルトランスと72,000μFの大容量コンデンサーを採用しています。
回路構成は出力段まで完全なバランス方式を採用するとともに、完全コンプリメンタリー回路による全段直結アンプで構成されています。また、大電流を扱う出力段や電源部との直結には金メッキ表面処理が施されたベリリウム銅合金製のバスバーを用いており、インピーダンス変動を限りなくゼロに抑えています。
KSA-Sシリーズでは出力トランジスタには、コスト上の問題で日本では既に生産されていなかったハイカレント・ローインピーダンスのTO-3キャンタイプ出力トランジスタを、クレル独自の指定スペックでモトローラ社が協力製作し、採用しています。
また、抵抗器は偏差値1%以内とする非常に厳格なミリタリー規格の金属皮膜抵抗を使用しています。
スピーカー端子は2系統搭載しており、バイワイヤリングに対応しています。
入力端子はピンタイプとXLRバランスタイプの2系統を搭載しています。
サーキットブレーカーを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
連続出力(20Hz~20kHz) | 400W+400W(1Ω) 200W+200W(2Ω) 100W+100W(4Ω) 50W+50W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.018%以下(1kHz) 0.18%以下(20kHz) |
S/N比(A) | 100dB以上 |
入力感度/インピーダンス | 1.34V/47kΩ |
外形寸法 | 幅483x高さ222x奥行377mm |
重量 | 28.5kg |