KRELL KRC
¥1,450,000(1994年頃)
解説
ハイバイアス純A級のローインピーダンス構成を追求したラインコントロールアンプ。
KRCでは出力インピーダンス4Ωで最大28Vの出力を実現しています。
ラインアンプ部は全段バランス方式を採用しており、高いS/Nを確保するとともに外部からの影響を排除しています。
入力段はFETによる差動構成を採用しており、ソースのインピーダンス変動による音質への影響を回避しています。そして、出力段にはドライブ力の高いローインピーダンス構成を実現するため、ハイカレントに適したバイポーラ素子による完全コンプリメンタリー純クラスA動作としています。
また、信号経路は全てダイレクトカップルとし、コンデンサーによるカラーレーションを排除しています。そしてサーボ・フィードバック回路によってDCオフセットが確実な安定動作を実現しています。
電源部は独立設計となっており、アンプ回路との相互干渉を排除しています。
また、パワフルでゆとりのある電源供給能力を確保するため、音楽信号に要求される電流容量を遥かに超えるレギュレーター電源部を装備しています。
信号純度を保持するため、配線においてワイアリングを排除し全段直結構成としています。
また、米国ミリタリー規格(偏差±1%以内)の抵抗器などの高精度なパーツを使用し、十分な検討と試聴を重ねて最大の効率が得られるようなパーツ配列が実施されています。
特に複雑な増幅系統を持つKRCでは、一枚の回路基板にオーディオ信号とDC電源、グランド2層の各パターンを積層した4層ガラス・エポキシ積層基板を採用しています。これにより素子を全て電源に最短で直結し、安定した電源供給を確保しています。また、各アースポイントから2枚のグランドパターンにダイレクトで接続を行うことにより、オーディオ信号への電源からの影響を排除し、他の回路からの干渉ノイズも遮断しています。
別売の専用基板Phono-Bを内蔵することでアナログソースへの対応が可能です。
この基板では内部のディップスイッチの組合せで入力感度やインピーダンスを切替える事ができ、MC/MMカートリッジに対応しています。
本体のスイッチングには良質の金メッキリレーを採用しており、精度の高いコントロールを可能にしています。
ボリュームコントロールにはステッパーモーターによって超精密級ボリュームを駆動する方式を採用しています。
ハイバイアスによる純クラスA動作を採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しており、本体操作やパワーアンプのON/OFF操作が可能です。
このリモコンは無垢のアルミ削り出し仕上げとなっています。
機種の定格
型式 | ラインコントロールアンプ |
入力感度(2V定格出力時) | 530mV |
全高調波歪率 | 0.01%以下 |
S/N比(A) | 100dB以上 |
周波数特性 | 2Hz~200kHz +0 -0.5dB |
定格出力/インピーダンス | 2.0V/4Ω |
最大出力 | 28V |
外形寸法 | 本体:幅483x高さ70x奥行387mm 電源部:幅221x高さ64x奥行286mm |
重量 | 8.9kg(電源部含む) |
付属 | ワイヤレスリモコン |
別売:フォノイコライザー基板 Phono-B(¥120,000) | |
S/N比(A) | MC:80dB MM:95dB |
入力インピーダンス | 10Ω~47kΩまで可変 |
フリケンシーレスポンス | 20Hz~20kHz ±0.1dB |
ゲイン | MC:64.5dB MM:36.5dB |
全高調波歪率 | MC:0.03%以下 MM:0.01%以下 |
入力感度 | MC:1.2mV MM:30mV |