
KRELL KAV-400xi
¥480,000(2003年9月発売)
解説
KAV-300iLの後継機として開発されたインテグレーテッドアンプ。
ボリューム回路を含む全段をフルディスクリート・コンプリメンタリーの完全バランス回路で構成しています。
パワーアンプ部の出力素子にはPc80Wのシリコン・エピタキシャルプレーナ型のLAPTをチャンネルあたり8個使用しています。このLAPTは59個の小信号バイポーラ・トランジスタを一つのペレット上に生成した複合素子で、動特性をはじめ、オーバーオールの特性が優れており、クレル・カレントモードデザインの設計思想を出力ステージまで生かすことにより高いスルーレートとハイパワーを両立させています。
電源部には750VAの大容量トロイダルトランスと55,000μFのキャパシターを組合せて搭載しています。
プリアンプ部にはクレル単体プリアンプにも採用されている全段フルディスクリート/フルコンプリメンタリー構成を採用しており、ライン入力団から出力段の前段に至る全ての回路をピュアクラスA方式としています。さらに、独自の超低NFB&超広帯域設計によってSACDなどのワイドレンジソースへの対応を図っています。
プリアンプ部への給電は出力段から完全に独立した専用定電圧レギュレーターによって行われており、相互干渉による再生音への悪影響が生じないよう配慮されています。
ボリュームコントロールにはマルチプライングDAC素子のR-2R抵抗をロータリー光エンコーダーによって152ステップで切替えるアナログボリュームを完全バランスで配備しています。この方式はトランジェントやフェーズの変化が極小で、どのボリューム位置でもカラーレーションの少ない音を実現しています。
ステップ間隔は最小0.2dBでデリケートな調整が可能です。
任意の入力端子のプリアンプゲインを0dBに固定するシアタースループットへの切替機能を搭載しています。
これによりホームシアターと兼用してサラウンドプロセッサーを接続するときにプロセッサー側での音量調節を一本化することができます。
端子パネルには高信頼性の完全密封リレーをダブルコンタクトで使用しており、最短距離に配置することで信号経路の短縮化を図っています。
小型集積化された電子部品と、クレル最新の表面実装技術によって内部信号干渉を低減しています。
ファンクションコントロールなどのマイコン部はフロントパネルに集約しており、アンプ部との空間的距離を大きくとっています。さらにトランスの巻線から完全に別仕立てとした専用電源を採用することでコントロール系とアンプ回路の干渉を抑えています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
シルバーとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
出力 | 200W+200W(8Ω) 400W+400W(4Ω) |
出力電圧 | 138Vp-p |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.07dB |
SN比 | 99dB(A-WTD) |
歪率(THD) | 0.04%以下(1kHz) 0.25%以下(20kHz) |
ゲイン | 35.8dB |
入力感度 | 0.644Vrms |
入力インピーダンス | 47kΩ |
出力インピーダンス | 0.17Ω |
入力 | バランス:1系統 シングルエンド:3系統 |
出力 | スピーカー出力:1系統(シングルエンド) テープ入出力:1系統(シングルエンド) |
リモートコントロール | 赤外線ワイヤレス、12VDCトリガー 入出力1系統、RC-5入力 |
電源トランス | 750VA |
消費電力 | 20W(アイドリング時) 1800W(最大) |
外形寸法 | 幅440x高さ89x奥行432mm |
重量 | 14.1kg |