KRELL KAV-300i
¥498,000(1996年4月発売)
解説
K300iのマイナーチェンジモデルに当たるインテグレーテッドアンプ。
パワーアンプ部にはモトローラ社との共同開発によるメタルキャンタイプの特別製パワートランジスタを12個使用しており、Pc250W級のパワートランジスタを3パラレル/フルコンプリメンタリー構成で動作させることで安定した電流供給能力を得ています。
プリアンプ部は全段フルディスクリート/フルコンプリメンタリー構成となっており、ライン入力初段から出力段の前段にいたる全ての回路をピュアクラスA方式としています。さらに独自の超低NFB&超広帯域設計によって音の品位を高めています。
プリアンプ部への給電は出力段と完全に独立した専用定電圧レギュレーターによって行われ、相互干渉による再生音への悪影響を排除しています。
ボリュームコントロールにはマルチプライングDAC素子の応用による152ステップアナログボリュームを採用しています。
音量はDACに内蔵された高精度なR2Rラダー抵抗の切替によってアッテネートされるため、通常の可変抵抗では不可避なトランジェントやフェイズの変化が小さく、どの音量位置においてもカラーレーションの少ない音を実現しています。
ステップ間隔は最小0.2dBとなっており、リモコンからのコントロールも可能です。
電源部には400VAの大容量を持つ大型トロイダルトランスと、コンピューターグレードのフィルターコンデンサーを搭載しています。
XLRバランス1系統とシングルエンド3系統の入力端子を備えています。また、出力端子は1系統のテープループとマルチアンプ等に活用できるプリアンプ端子を備えています。
シングルエンド入力1系統はサラウンドプロセッサーを接続するためのシアタースループットにも切替えができ、K300iをホームシアターシステムへビルトインした場合に音量調整などの操作をプロセッサー側に一本化することが可能です。
ソースセレクターは端子パネルから最短距離に配置された高信頼性の完全密閉リレーによって行われ、エンクロージャー内部における信号ラインの引回しを排除しています。また、リレー自体も信号経路から電気的、空間的に独立したシステムコントロール部の制御電圧によって操作するよう配慮されています。
内部レイアウトはデュアルモノラルコンストラクションを採用しています。
アルミブロック削り出しのワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンはブラックアルマイト仕上げで、レタリングも彫金加工が施されています。電源のON/OFFを含む全てのファンクションだけでなく、パワーアンプ等の他のリモコン対応クレル製品を集中コントロールできます。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
出力 | 150W+150W(8Ω) 300W+300W(4Ω) |
周波数特性 | 1Hz~100kHz +0 -3dB |
S/N比 | 95dB(IHF-A) |
歪率 | 0.06%以下(1kHz) 0.3%以下(20kHz) |
ゲイン | 36.1dB |
最大許容入力 | 9Vrms |
入力インピーダンス | 210kΩ |
出力インピーダンス | 0.16Ω |
入力端子 | XLRバランス:1系統 RCAシングルエンド:3系統 (うち1系統はシアタースループットに切替可) |
テープループ | RCAシングルエンド:1系統 |
プリアウト | RCAシングルエンド:1系統 |
トランス容量 | 400VA |
消費電力 | 50W(アイドリング時) 1,200W(最大) |
外形寸法 | 幅483x高さ94x奥行394mm パネル高さ:73mm |
重量 | 11.4kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |