オーディオの足跡

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Model9Tiの画像
 解説 

Model9の改良型として開発されたモノラルパワーアンプ。

J.R.D.C.ではコヒレンスプリアンプの開発にあたってジェンセン社の新開発ワインディング技術による超精密インプットトランスが採用されました。これがきっかけとなってアップグレードが決まったようです。

アンプの電気回路への影響を排除するため、主電源部を独立したシャーシに収めた構造となっています。
主電源部は強力トランスとチョークトランスを装備しており、一般的にACパワーにみられるノイズや音の歪に比べて影響を少なく抑えています。さらに、大型パワーコンデンサーを6個に増やし、1,920kfの超安定電源としています。
この主電源部は一般的な電源部に比べてハーモニック成分が最低1/10になることを保証しており、ライン帯域の2次ハーモニック成分のみを保有しています。また、全体のパワーサプライの共振は5Hz以下に抑えられており、電源部によるアンプ回路への影響を排除しています。

アウトプットステージはプラスとマイナスそれぞれに専用の独立増幅部を搭載した構成となっています。この2つのアンプゲインブロックはメインパワーサプライ(外部シャーシ)よりダイレクトに電源供給を受けています。また、出力部は24個のオーディオ仕様Aクラス作動インテリジェントアンプを採用しています。

高速増幅を実現するため超高性能SGT社製オーディオ用インテリジェントアンプを採用しています。
このアンプデバイスはA級動作で非常にコンパクトな回路を実現しており、超高速、超低歪となっています。また、ディスクリート回路と比較してシグナルパスは何百分の一に短縮されており、ネガティブフィードバックの弊害が消去されています。実際に32種類のトーンを持った測定器にでこの回路を測定した結果、IM歪が測定可能のレベルを超えて低下したことが確認されています。
また、入力信号はRF侵入を防ぐべくトランスによって180kHzに制限されていますが、アンプ回路自体は5MHzのバンドウィズを持っており、非常に優れた高速性能を実現しています。

内部配線は入力のみに用いられており、しかも酸化対策を完全に施したカルダスのフェイズ整合、高純度カバーワイヤーを用いることで純度を保証しています。

パワーサプライからの残留ノイズを完全に消去するため、アウトプットステージからパワーサプライコモンモードを発生させてキャンセルしています。また、アンプ全体を通過するシグナルから回り込むグランドリターン電流の悪影響もこれによって排除しています。

電磁波やラジオ波の混入を防ぐため、入力トランスを装備しています。
このトランスは入力が0.5Hz~180kHzまでフラットに通過させる非常に優れた特性を持っており、有害な完全にRFノイズを効果的にシャットアウトしています。

シャーシは6061航空機グレードのハードアルミブロックコンポーネントによって構成されており、一つ一つがNC切削機によって宇宙産業用の製造向上で製造されています。
ヒートシンクはシャーシ一体で共鳴を完全に抑えるため、フィン厚を黄金比に配置した設計となっています。このヒートシンクブロックに厳選、選別されたインテリジェントアンプと表面実装基板を採用したドライバーステージを取り付け、完全にヒートシンクと一体化させています。また、バスバーもプラスとマイナスを至近距離に接近させ、高速化とIM歪の更なる低下を図っています。

ドライバーステージはトランスインピーダンスディファレンシャルモード増幅回路を応用しています。
このステージでは、シングルエンドインプット使用の場合それをバランスに変換するほか、26dB、32dBのゲインを変換する、コモンモードリジェクションレシオを広範囲のバンドウィズにわたって最適化する、トランスインピーダンス・アウトプットゲインブロックをドライブするバッファードアウトプットに高電流を供給するなどの役割を持っています。
さらにこの回路はアウトプットまでディファレンシャルモードバランス増幅となっています。しかも完全バランスを実現するため入力インピーダンスのマッチングを図っており、超高性能トランスによって+側と−側のインピーダンスを完全に一致させ、差動回路とグランドの隔離というバランスのメリットを発揮させています。

アンプ回路はウォームアップ時間を短縮するために消費電力を抑えながらスタンバイ状態が保たれる設計となっています。
バイアス電流についてはインテリジェントアンプ自体が高精度モニターで検知し、外部温度に関係なく一定の温度とバイアス電流を保証し、常に最良の状態でクラスA動作をすることを可能にしています。
また、万一異常を検知した場合にはブレーカー機能が働いて機器の安全を守ります。

リアパネルにはミューティング、フェイズ切換、インプットインピーダンス変換、ゲイン変換スイッチを搭載しています。
また、入出力端子には空芯スピーカーターミナルやロジウムRCAジャック、金メッキXLR等の高品位部品を使用し、さらに内部回路との機械的なインピーダンスマッチにも配慮しています。

機種の定格
型式 モノラルパワーアンプ
定格出力 350W(8Ω、Continuous RMS watts)
700W(4Ω)
1,000W(2Ω)
パワーバンドウィズ 0.1Hz~160kHz -3dB
THD and noize 0.06%未満(オーディオ帯域内
ダンピングファクター 100以上(20Hz~20kHz、8Ω)
出力電流 50A(連続)
100A(ピーク)
ゲイン(オーバーオール)/感度 26dB/141mV、32dB/71mV、切替式
入力インピーダンス single ended:50kΩ、300Ω、切替式
balanced:100kΩ、600Ω、切替式
CMRR 75dB以上(20Hz~20kHz)
Absolute phase 切替式(バックパネル)
入力 RCA(2)、XLR(2)
切替式
出力 2系統、バインディングポスト
消費電力 100W(スタンバイ)
300W(operating)
外形寸法 アンプ部:幅445x高さ285x奥行560mm
電源部:幅445x高さ285x奥行560mm
重量 アンプ部:41kg
電源部:60kg