
Jeff Rowland Model302
¥2,600,000(2002年発売)
解説
新たにICEpowerを採用したステレオパワーアンプ。
パワーステージにD級アンプであるICEpowerモジュールを採用しています。
ICEpowerはそれ自体ゲインが高く、パワーサプライからのDC電流が少なくて済む高効率デバイスで、パワーサプライのスピードと電磁波防御の麺で大きなメリットがあります。また、シグナルパスが極端に短い設計が可能となり、高調波歪や混変調歪が少ないという特長も持っています。
ICEpowerの電圧、インピーダンス、ノイズなどの変動に強いという性質により、Model302では117dBという生演奏に近いダイナミックレンジを実現しています。
電源部では100VのAC電源を大容量トランスで200Vに昇圧して使用しています。これにより電源部の効率を高め、AC電源ノイズやACパルスなどからアンプを隔離しています。
また、PFC(Power Factor Correction)回路を搭載しています。PFC回路ではマイクロプロセッサーのコントロールによって入力電流を電圧と同相で取り入れる装置で、電源の電流波形を整え完全なサイン波に構築しています。PFCからの出力は、ゼロクロス電圧/ゼロクロス電流の1.2MHz超高速スイッチング電源であるDC-DCコンバーターに送られます。
機器内部及びACラインにスイッチングノイズやスパイク電流による高調波成分が発生しないため、バッテリー電源に近く、安定化されたクリーンな出力電圧を保持しています。また、出力デバイスのICEpowerが高効率なため、要求される電流は既存のアンプに比べて半分以下に抑えられており、スピーカーが大電流を要求しても電圧降下を起こさずに瞬時に供給する事が可能となっています。
入力部にはルンダール社のユニークな構造のトランスを採用しています。
シャーシには新設計が採用されています。
航空機グレードのハードアルミ切削加工によるシャーシに、スピーカーキャビネットと同じようなクロスブレーシング構造を採用する事でシャーシや回路構成部品の共振を抑えています。また、アンプ回路、電源、トランスはそれぞれ隔離されたチェンバーに収められており、その間仕切りは隣接するボディパーツとボルトによって固定されています。これにより高い剛性を確保すると共に、内部回路や部品の相互干渉や、電磁波リークを低減しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
出力(連続RMS、両ch駆動時) | 500W+500W(4Ω) 350W+350W(8Ω) |
周波数特性 | 5Hz~60kHz 3dB |
最大出力電流 | 45Amps以上 |
ダイナミックレンジ | 117dB |
全高調波歪率 | 最大0.05%(0.1W~500W、4Ω) 通常0.006%(1kHz) |
混変調歪率 | 0.002%未満(19/20kHz SMPTE) |
ダンピングファクター | 275(1kHz) |
ゲイン | 26dB/32dB(内部ジャンパーによる変換、バランス/シングルエンド共) |
入力インピーダンス | 40kΩ |
CMRR | 90dB以上(20Hz~20kHz) |
位相 | Pin3(+) |
入力(ユーザー選択) | XLRx2 RCAx2 |
出力ターミナル | チャンネル当り2ペア装備(バイワイヤ可) |
消費電力 | 65W(スタンバイ) 75W(アイドル) 1,200W(最大) |
外形寸法 | 幅394x高さ269x奥行469mm |
重量 | 40kg |