オーディオの足跡

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Model2の画像
 解説 

Model9/Model8SPに盛り込んだ設計ノウハウを投入してコンパクトにまとめたステレオパワーアンプ。

回路にはジェフローランドアンプで伝統となっているモジュールによるフロントエンド回路を採用しています。モジュールは回路自体の温度的安定度や構造的強度を増加させています。このモジュールはアルミバーによってしっかりとシャーシに固定されています。

信号回路には電流フィードバック回路(トランスインピーダンス回路)を採用しています。この回路方式はビデオアンプのために開発されたものですがオーディオアンプに理想的な特徴を持っており、広範囲な帯域や非常に高速なセトルタイム、各帯域に於ける非常に引く歪率等を持っています。また、シンプルな回路構成のため部品数を削減してより純度の高いアンプとなっています。
入力信号はインピーダンスマッチングトランスに入ります。このトランスはパワーアンプとソース機器の間を回りかねないグランド電流を隔離しています。また、音楽ソースには全く無関係な高周波をフィルターアウトしています。トランスはジェンセン製となっており、特殊な精密捲線技術と高ニッケル含有マグネットによるハイテクトランスとなっています。
このトランスを経て信号はピュアクラスAアンプに入ります。このアンプを経て各フェイズ(0゜、180゜)はバランス、トランスインピーダンス出力段に入ります。インプットとアウトプットはともに独立した回路となっており、全体的なNFがありません。

全ての部品は完全マッチングが図られており、配置は最短距離、最少インダクタンスになるよう設計されています。

アンプ全体の回路構成は低電圧で作動するよう設計されており、非常に安定的にハイスピードな動作を実現しています。ジェフローランドのアンプに積極的に応用されている差動バランスモードによってパワーサプライ電圧は50%減少しています。また、パワーサプライ電流の両極とも常時対称的に利用されるためパワーサプライは両フェイズに対して同時に共通となり、アンプはパワーサプライエラーを拒絶できています。

電源部には特別設計のトロイダルトランスを搭載しています。
このトランスのコアは鋭利なエッジを機械加工によって取り除く事でスムーズで正確な導線を巻けるようにしています。これによりトランスの電気的抵抗を減少させています。このトランスは他のものと異なり、流束密度を大きく減少させ、作動状態における磁気飽和が起こりにくくなっています。
各トランスは+-両極にフルウェイブブリッジ整流器を装備しており、コンデンサーチャージ電流のコモンモードトランスセンタータップグランドリターンを排除し、二次電圧のアンバランスを排除しています。

コンデンサーにはローリップル、ハイトランジェント電流に対応する260,000μFの電解コンデンサーを採用しています。このコンデンサは低ESR(等価直列抵抗)低ESL(等価直列インダクタンス)の長耐用年数特注品となっています。
また、直流電流によって広帯域のパワーを伝達するためにプリント基板やメタルパスによらず、銅線によって結線されています。

アンプはフロントスイッチによってスタンバイモードとなると出力段のバイアス電圧は急激にドロップし、インプットステージはミュート状態となります。
アンプ全体では電圧がかかった状態でスリープモードとなるためにウォームアップが短時間で出来、ターンオン/オフトランジェントの排除というメリットも得ています。

構造材には全て航空機グレードのハードアルミA6061-T6を使用しており、寸法精度は0.12mm以内に収まる許容差で仕上げられています。また、黄金比を応用することで非常に安定した非共鳴体構造を実現しています。
トッププレートとヒートシンクには黄金比のリブとフィンが削り出されており共振を発生源から抑えています。ヒートシンクはフィン厚をそれぞれ変える事で隣接するフィンと非共鳴関係となっています。また、ヒートシンクの物理的質量は増大される事で熱質量は増大し、熱時間質量の定数を増加し、出力半導体の短時間の温度変化を減少させています。
ハードアルミ製の円筒にはOリングで物理的にネオプレンリングで分断したトロイダルトランスを搭載しています。そして、Model8と同様に分厚いハードアルミ製サブシャーシによって前後に取り付けられており、非共振パワーサプライアセンブリーを構成し、アンプシャーシ全体の強度を高めています。トッププレートとヒートシンクには黄金比のリブとフィンが削り出されており共振を発生源から抑えています。

ゲインやインピーダンス変換がリアパネルスイッチから行えます。

このアンプには二通りのパワーサプライが選べる設計を採用しており、通常のAC電源による方法と、DCパワーサプライを追加する事によってアンプ内部のパワーサプライをバッテリーチャージ回路として用いる方法です。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力(連続) 150W+150W(4Ω)
75W+75W(8Ω)
出力帯域幅 0.5Hz~160kHz
混変調歪率 0.05%以下(定格出力時)
ダンピングファクター(8Ω) 100以上(20Hz~20kHz)
出力電力 20A(連続)
35A(ピーク)
CMRR 60dB以上(20Hz~20kHz)
入力 XLR
XLR-RCA(付属アダプター)
入力感度 141mV/71mV
入力インピーダンス 36kΩ/600Ω
ゲイン 26dB/32dB
消費電力 25W(スタンバイ)
225W(作動状態)
400W(最大出力時)
外形寸法 幅445x高さ133x奥行362mm
重量 21kg