
Jeff Rowland Corus
¥2,340,000(2010年6月発売)
解説
「何も加えず、何も失わずに」というコンセプトで設計されたプリアンプ。
コンセプトを実現するため、信号をトランス経由で入力し、出力しています。
多くのソース機器ではグランドをリファレンスとして信号を送り出していますが、グランドがACノイズによって汚れている事でオーディオ回路に悪影響を与えていました。この問題を解消するために差動回路が使用されていますが、それだけでは不十分としています。
トランスを信号経路に挿入する事でノイズに対する免疫性が強くなり、ACからのリークノイズにも強くなります。これによりプリアンプによるノイズを遮断し、システム全体での音質を高めています。
トランスには世界中のメーカーからジェフ自らが選んだものを採用しています。
電源部はアルミ削り出しの別筐体に配置しており、増幅部への電源の影響を排除しています。
電源回路には高速スイッチング電源を採用しています。また、デジタル電源のコモンモードスイッチングノイズは特性の良い入出力トランスによってブロックしています。
増幅回路の構成はフラグシップ機であるクライテリオンと同様の構成となっており、セラミック4層基板を採用する事でブリーディングを抑えると共に最短経路で信号を高速処理する構成となっています。
また、ボリュームにはエラーの無い完全バランス素子を用いたアッテーネーターを使用しており、さらにデジタルコントロール部はセパレートされたチェンバーに隔離されています。これにより、同一筐体に収めながら信号経路をデジタルコントロールの影響から隔離・保護しています。
入力端子は5系統あり、XLR、RCA入力を装備しています。また、各チャンネルでゲインやバランス、位相の設定が可能です。
また、出力端子は3系統装備しており、バイパス設定を含む出力のバリエーションがメニューで設定できます。
シャーシには伝統の6061ハードアルミを削り出したモノコックボディを採用しており、外部ノイズ(EMI、RFIなど)を完全にシャットアウトし、付帯音やグラウンドノイズなどの影響を排除しています。
このシャーシはコロラドスプリングスにあるハイテク軍需産業との共同開発によって開発されたものです。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
ゲイン | 各入力独立プログラム 0~20dB |
ゲインレンジ | 99.5dB、199ステップ |
ゲイン解像度 | 0.5dB ±0.03dB(全レンジにわたり) |
周波数特性 | 10Hz~300kHz -3dB(8Ω) |
入力インピーダンス | バランス:40kΩ アンバランス:40kΩ |
最大入力レベル | 13.5Vrms(0dBゲイン) |
最大出力レベル | 13.5Vrms |
出力インピーダンス | バランス:60Ω アンバランス:60Ω |
THD+Nノイズレベル | 0.003%以下(2V出力時、50Hz~20kHz) |
S/N比 | 100dB以下 |
チャンネルセパレーション | 99.5dB |
入力 | XLR:4系統 RCA:2系統 |
出力端子 | XLR:3系統 RCA:3系統 |
消費電力 | 16W(カタログ記載) 最大15W(ホームページ記載) |
外形寸法 | 本体:幅395x高さ94x奥行311mm 電源:幅122x高さ73x奥行280mm |
重量 | 本体:10.1kg 電源:2.7kg |
付属 | リモートコントロールユニット 受光部ユニット 受光部ユニット接続ケーブル DCケーブルx2 ACケーブル 3/2アダプタ |