Jeff Rowland Concentra
¥1,100,000(1997年発売)
解説
Jeff Rowland初のプリメインアンプ。
出力部には新開発のパワーアンプIC(LM3886)を使用しており、片チャンネルにつきブリッジバランスに6個使用することで、最高100W/ch、ダンピングファクター60(20Hz~20kHz)を達成しています。
入力回路にはインプットトランスを採用しています。
このトランスはプロ機のトランスメーカーであるジェンセン社のコンピューター技術によって作成されています。ジェンセンの持つトランス技術によって0.5Hzから160kHzまでをカバーするニッケルコアのトランスを作成し、これをミューメタルとカッパーのサンドイッチ構造のケースで覆うことでRFノイズの侵入をカットしています。これによりデジタルノイズやグラウンドノイズがケーブル経由で伝わるのをカットし、アンプ自体をノイズから独立させています。
シャーシには上級機であるコヒレンスやモデル9にも採用されたジュラルミンブロック(ASTM 6061ハードアルミ)を使用しており、宇宙産業に携わる加工業者で削り出し加工されて採用しています。フロントパネル、サイドパネル、リアパネル、トッププレート、スイッチ、ボリュームなど全てが無垢材から削り出し加工されたものとなっています。これにより、共振歪やパーツ自身の共振による発信を抑えています。
さらに、トッププレートとサイドパネルは黄金比によって決定された4種類の厚さの異なる切削加工を施したヒートシンクとし、プレートとパネルで放熱を行うことでヒートシンクのフィンによる共振を排除しています。この黄金比による厚さの決定は共振をキャンセルする太古からの知恵を応用したもので、より一層静かな構造を実現しています。
操作部にはマイクロプロセッサーを使用しており、指示がプリアンプ部に伝えられ、伝達が終わるとスリープモードに入ります。ノブやスイッチにさわるとスリープから復帰します。
この方式を採用することでコンピューターによる電磁波の影響やノイズの影響を排除しています。
基板には表面実装基板を採用しています。アメリカ軍用規格の製造認可を持つ会社で実装することで安定性が向上しています。
表面実装としたことでハンダの量を減らし、ハンダによる音質への影響を減らしています。
内部レイアウトはパワートランスの位置や信号経路の短縮化、入出力端子の位置など全て慎重に考慮されたものとなっています。
バスバーにはプラス・マイナスの銅フラットバーを使用しており、間隔を可能な限り狭めることでハイスピード化を図っています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
出力(連続RMSW) | 100W(8Ω) 150W(4Ω) |
周波数帯域 | 0.5Hz~160kHz -3dB |
スルーレート | 30V/μs |
THD/ノイズ | 0.06%以下 |
ダンピングファクター | 60(20Hz~20kHz、8Ω) |
出力電流 | 連続16A ピーク28A |
ゲイン感度 | プリアンプ部:14dB パワーアンプ部:26dB |
ボリュームコントロールレンジ | 0dB~99.5dB |
ボリュームコントロールレゾリューション | 0.5dB±0.05dB |
入力インピーダンス | 36kΩ |
コモンモード・リジェクション比(CMRR) | 60dB以上(20Hz~20kHz) |
入力端子 | バランス:3系統(XLR) アンバランス:3系統(RCA) |
REC入出力 | 各1系統(RCA) |
プリアウト出力 | バランス:1系統(XLR) アンバランス:1系統(RCA) |
スピーカー出力 | 1系統(SPターミナル) |
各パネルの厚さ | ヒートシンク:38mm フェイスプレート:23mm トッププレート:4mm リアパネル、内部フロントパネル:9mm |
消費電力 | 100W(アイドル時) 550W(最大) |
外形寸法 | 幅445x高さ146x奥行362mm |
重量 | 23kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |