JBL Project K2 S9800
DG、MG:¥1,300,000(1台、2001年発売)
¥1,400,000(1台、2002年価格改定)
WG:¥1,500,000(1台、2002年発売)
解説
新世代のユニットを採用したプロジェクトK2シリーズのリファレンススピーカーシステム。
ウーファーユニット
低域には38cmコーン型ウーファーである1500ALを搭載しています。
振動板にはパルプコーンを採用しています。
この振動板には長繊維のパルプ素材を厳選し、天日干しによる自然感想で繊維間の結合を強めています。また、コーン表面にコルゲーションリブを設けるとともに、コーン裏面・外周部分にはJBL独自のアクアプラス・コーティングを施して分割振動を排除し、大出力時にもブレークアップ現象を引き起こさない高い剛性を得ています。
エッジには新開発のEPDMフォームラバーを使用しており、軽量・低損失かつ長期にわたる耐久性と耐候性を実現しています。
形状にはコンピューターシミュレーションによって最適化されたロール断面形状を持たせており、微小振幅から大振幅まで歪の少ないエッジ動作を実現しています。
ダンパーにはシンメトリー構造のNOMEXダブルダンパーを採用しており、偶数次の高調波歪をキャンセルしています。
ボイスコイルには1.524x0.15mmの超扁平アルミリボン線を用いた100mm径エッジワイズ巻きボイスコイルを採用しています。
巻幅20.32mmの高密度ショートボイスコイルとニューSFG磁気回路によってコーン振幅最大25.4mmまで無歪の動作リニアリティを実現しています。
磁気回路にはアルニコ5DGマグネットを開発・搭載しています。ボイスコイルギャップ下に桁長50mmのアルミショートニングを取り付け、トッププレートには1.6mm厚スチールリング16枚と0.8mm厚銅リング15枚を交互に重ね合わせたインナーギャップリングを装着しており、マグネットを取り囲むように配置した事で、局部磁界の安定と磁気変調の抑圧を実現しています。
アルニコ磁気回路のために新設計されたニューSFG(シンメトリカル・フィールド・ジオメトリー)回路を搭載しています。
上下対称のコンスタントな磁界を作り、幅2.54mm、長さ40.64mmの全ギャップにわたり0.52teslaの高磁束密度を確保しています。
冷却機構にはJBL独自のベンテッドギャップ・クーリング機構を搭載しています。
この機構ではポールピースからバケットカバーまでを貫く3つの空気孔によってボイスコイルで発生する熱を効果的に逃がしています。これにユニットの背圧を整流するベンテッドフレーム構造を組み合わせる事で磁気回路に滞留する熱を効率よく排除しています。
ツィーターユニット
高域には7.5cmコンプレッションドライバー435Beとバイラジアルホーンを組み合わせたホーン型ミッドレンジを搭載しています。
振動板には鍛造ピュアベリリウムダイアフラムを採用しています。
ベリリウムはオーディオ振動板として理想的な素材ですが、加工が困難でしかも有害物質だったため、実用化の妨げとなっていました。このベリリウムを鍛造で振動板に加工する新技術を導入する事で、破損による金属飛散の恐れがないピュアベリリウムダイアフラムを実現しています。
また、JBLコンプレッションドライバーとして初の3inch(7.5mm)径ダイアフラムを採用しており、ウーファーとのスムーズな音の繋がりを実現する中低域特性と、2ウェイシステムとしても使用可能な高域特性を実現しています。
ピュアベリリウム・ダイアフラムの表面にはJBL独自のアクアプラス・コーティングが施されており、分割振動を排除しています。
これによりドライバー単体で15kHzを超える広いピストンモーション領域を実現しています。
ボイスコイル部にはアルミリボン線によるボイスコイルをエッジ一体成型の高耐熱性ボビンにラッピング装着した軽量ボイスコイルアッセンブリを採用しています。
これによりピュアベリリウム・ダイアフラムを合わせた振動系全体の質量は1.25gに留まっています。
マグネットには高い磁力を持つネオジウムマグネットを採用しています。
高効率磁気回路によってギャップ間に磁束を集中させ、2.0teslaの高磁束密度を実現しています。
フェイズプラグにはJBLプロフェッショナルユニットでも使用されているラピッドフレアータイプを採用しており、第2次高調波歪の発生を低減しています。
背面にはリブ型ヒートシンク構造のアルミダイキャスト製バックカバーを採用しており、高い放熱効果によって連続ハイパワードライブを可能にしています。
また、十分なバックキャビティを設けた事でクロスオーバー周波数下の帯域まで余裕を持った再生が可能です。
ホーン部には新設計のコンスタントカバーレージ・バイラジアルホーンを採用しています。
ホーン開口部の突出を最小限に抑え、音響回折にともなう周波数特性の乱れを防ぎ、リスニングポジションを極度に限定せず、室内のアコースティック環境にも左右される事のない良好なサウンドフィールドを追求しています。
高域用ホーンは水平90゜x垂直50゜の指向特性を持たせています。
ホーン素材には高い質量と剛性を持つ新素材であるSonoGlassを使用しています。
自由度と精度の高い塑性加工によってホーン内面の形状を精密にコントロールし、ホーン鳴きや殻レーションを排除しています。
スーパーツィーターユニット
超高域には2.5cm(1inch)ホーン型ツィーター045Beを搭載しています。
振動板には、435BEと同様に鍛造ピュアベリリウムを採用しています。
厚さ0.04mm、質量0.1gの超軽量ダイアフラムとなっています。
ボイスコイルにはアルミリボン線をダイアフラムに直接巻いた軽量ボイスコイルアッセンブリを採用しており、50kHzを超える高音域まで分割振動を利用しないピストンモーション領域での再生を可能にしています。
マグネットには高い磁力を持つネオジウムマグネットを採用しており、2.0teslaの高磁束密度を実現しています。
フェイズプラグには有限要素法を用いて形状の最適化を図った環状スリット型フェイズプラグを採用しています。
絶対的なパーツ精度を求めて立体リトグラフィーを用いた超精密加工を実施する事で、出力を低下させる位相干渉や歪の発生を防いでいます。
リブ型ヒートシンク構造のアルミダイキャスト製バックカバーを採用しており、高い剛性を確保すると共に放熱効果の向上を実現しています。
ホーン部には中域同様に新設計のコンスタントカバーレージ・バイラジアルホーンを採用しています。
超高域ホーンでは水平60゜x垂直30゜の指向特性を持たせており、素材にはSonoGlassを採用しています。
ネットワーク部
JBLチーフエンジニアであるGreg Timbersの"良く作られた2ウェイスピーカーこそ、最も理想に近いスピーカーである"という考えに基づき、2ウェイを基本に帯域拡張を図った3ウェイ化を目指した設計となっており、低音域と高音域の組み合わせに超高音域を加える2+1ウェイという設計コンセプトで設計されています。
このためクロスオーバー周波数を800Hzと、やや高めの10kHzに設定されています。スロープ特性はユニットの減衰特性を含めて-24dB/octに設定されており、クロスオーバー領域での音の重なりを減らし、帯域間のトランジションを素早く実行する事で垂直方向のリスニングアングルを大きく確保しています。
JBL独自のチャージカップル・リニアディフィニション方式を採用しています。
この方式ではコンデンサにDCをバイアスを加えてクラスA動作させています。これによりゼロ電位で発生するクロスオーバー歪の発生を無くしています。
ネットワーク部はエンクロージャー下部に独立したネットワークボックスを設けて収納しており、ウーファーからの背圧の影響を排除しています。
また、メンテナンス性を考慮し、ネットワーク回路をボードごと引き出せるスライドマウント方式を採用しています。
HFレベルスイッチとLFダンピングコントロールスイッチを搭載しています。
HFレベルスイッチは3段切換式となっており、高音域±0.75dBのレベル微調整が可能です。また、LFダンピングコントロールスイッチでは組み合わせるパワーアンプの特性によってダンピングを3段階に調整する事が可能です。
バイワイヤリング接続やバイアンプ駆動に対応した2組の金メッキ大型スピーカーターミナルを採用しています。
アンプとのノーマル接続用に、端子間で振動による音の濁りを考慮した金メッキOリングスリーブ付きのショートワイヤーを装着しています。
さらに、ネットワークバイパススイッチを装備しており、LF-HF間のネットワークを切り離し、アクティブバイアンプ駆動が可能となっています。
エンクロージャー、その他
エンクロージャーはフロント・サイド・リアそれぞれのパネル面積を最小にした不等辺六角柱構造となっており、共振に起因するカラーレーションの発生を無くしています。
全パネルには25mm厚のMDF材を使用しており、内部はブレーシングによって補強されています。高い強度を持つ六角柱構造とあいまって有害な共振を徹底して抑えています。
さらに、ウーファーバッフルには19mm厚のMDFボードを追加し、重量級ウーファーユニットを支えています。また、トップ部分にはホーン素材と同じ高比重SonoGlassを用いており、高い質量と剛性でエンクロージャー全体の振動を抑え込んでいます。
底部にはMDFソリッドボードとバーチ・プライマリーボードを重ね合わせたフロアベースを装着しており、エンクロージャー底面とは4本のボルトで結合し、強固に一体化させています。
バスレフ方式を採用しており、背面に2本のバスレフポートを装備しています。
ポート開口部にはアルミダイキャスト製のフランジ、内部には発泡素材のフランジを装着し、滑らかなテーパー形状とする事でポートの息づき現象を防いでいます。
ラウンド形状をもたせたステンレス削り出し加工によるスパイクフットを底部の4箇所に装備しています。
ピンポイントスパイクとステンレス製スパイク受けも付属しており、より明瞭な点設置も可能となっています。
外装はラッカー塗装によるダークグレー仕上げのDGと、ライト・メタリックグレー仕上げのMGの2色が発売時からあり、その後、天然木を用いたウッド・グロス仕上げのWGが追加されました。
ホーン部をはじめとする各部の色調を微妙に変えながら、全体の統一感をもたせたデザイン設計となっています。
前面下部のハイグロス仕上げロアーパネルは取り外しが可能となっており、別売りオプションのロアーパネルを組み合わせる事で好みの配色コーディネーションが可能となっています。
機種の定格
| 方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
| ユニット等 | 低域用:38cmコーン型(1500AL) 高域用:ホーン型(435Be+38mm径バイラジアルホーン) 超高域用:ホーン型(045Be+8.9mm径バイラジアルホーン) |
| 周波数特性 | 45Hz~50kHz -6dB |
| 低域再生特性 | 35Hz -10dB |
| 出力音圧レベル | 94dB/2.83V/m |
| インピーダンス | 8Ω |
| 許容入力 | 400W(RMS) |
| クロスオーバー周波数 | 800Hz、10kHz |
| 外形寸法 | 幅508x高さ1,295x奥行375mm |
| 重量 | 90kg |
| 別売 | ロアーパネル S9800 PW(ウォルナット仕上げ、2台1組、¥50,000) S9800 PR(ワインカラー仕上げ、2台1組、¥50,000) |
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