JBL L222A
300,000(1台、1979年発売)
¥380,000(1台、1980年頃)
¥350,000(1台、1981年頃)
解説
正確な音像定位を追求したフロア型スピーカーシステム。
L222Aではユニットのマウント方法にインライン配置を採用しています。
この方式では全てのユニットを垂直軸にマウントしており、各ユニットの音源からバッフルまでの到達時間を揃えて位相を合わせています。これによってより正確な音像定位を可能にしています。
低域のユニットには36cm径コーン型ユニットであるLE14Hを搭載しています。
このユニットはLE14Aの磁気回路をSFG(対称磁界型)に変更したもので、トッププレートとポールピースとの間の磁界を対称にすることで第二次高調波歪を大幅に低減しています。また、ポールピース下部にファラデーループと呼ばれる高電導率のリングを取付け、コイルインピーダンスに影響を与えることなく構造体内の相互磁束を安定させています。これにより、そこで誘起される第2次高調波歪を減少しています。
さらに、10.2cm径の大口径銅リボン線エッジワイズ巻ボイスコイルを採用することで優れた過渡応答と高能率化を実現しています。
低域には38cmコーン型パッシブラジエーターPR15Cを組合せています。
ウーファーユニットより約30%面積の広いパッシブラジーエーターを用いることで低域特性を伸ばし、ダイナミックレンジの拡大を図っています。
中域には13cmコーン型ミッドレンジであるLE5-9と音響レンズを組合せて搭載しています。
LE5-9を他のユニットより奥まった位置にマウントすることで音源の位置を揃え専用の音響レンズを組み合わせることで拡散と位相補正を行っています。
また、ウーファーとの干渉を防ぐために独立チャンバーに納められています。
高域にはホーン型ツィーターである076を搭載しています。
このユニットは独自のリングダイヤフラムをもつ楕円型ホーントゥイーターで、位相と振幅を一定に保つフェイジングプラグからエクスポネンシャルホーンにつながる独特の構造を採用し、指向特性と位相特性を改善しています。
ネットワーク部ではユニットのつながりをスムーズにするため、クロスオーバー周波数付近での特性をフラットにするインピーダンス補正回路や位相修正回路などを内蔵してます。
エンクロージャーには硬質パーチクルボードを採用しています。
機種の定格
型式 | 3ウェイ・3スピーカー・パッシブラジエーター方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:36cmコーン型(LE14H) 中域用:13cmコーン型(LE5-9)+音響レンズ 高域用:ホーン型(076) その他:38cmコーン型パッシブラジエーター(PR15C) 専用3ウェイネットワーク |
許容入力 | 200W(連続プログラム) |
インピーダンス | 8Ω |
クロスオーバー周波数 | 800Hz、5kHz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
外形寸法 | 幅512x高さ1,225x奥行390mm |
重量 | 51.3kg |