オーディオの足跡

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L110の画像
 解説 

スタジオモニターの技術を継承して開発されたブックシェルフ型スピーカーシステム。

低域には25cmコーン型ウーファーLE111Aを搭載しています。
このユニットのコーン紙の裏面には独特のコンパウンド剤によるコーティングが施されており、堅牢性と適度な内部損失を与えています。これにより最適な質量が得られ、優れた能率と低音域再生を実現しています。
ボイスコイルには7.6cm径の銅リボンエッジワイズ巻きを採用しており、通常のボイスコイルに比べて巻き数の量が増大することで能率やトランジェントレスポンス、耐入力特性が改善されています。また、磁気回路にはアルニコVマグネットを用いてギャップを狭くとり、ボイスコイルに磁力を集中させています。
このウーファーは1kHz以下を受け持っていますが、実際には3kHz以上の帯域もスムーズなレスポンスを得ているため、スコーカーとのつながりを自然なものにしています。

中域には13cmコーン型スコーカーLE5-10を搭載しています。
精密設計2.2cm径ボイスコイルや高磁束密度の磁気回路によって中音域の能率と過渡特性の向上を図るとともに、音の放射部分であるコーン紙に硬質の素材を用いることで瞬間最大入力時の変形を防いでいます。また、アルミセンタードームによってスコーカー自身に高い周波数帯域までの再生能力を持たせ、トゥイーターとのつながりを改善しています。
さらに、ウーファーとの音のつながりを考慮して内容積を割り出し、適正量の吸音材を充填した完全密閉型バックキャビティにマウントすることでウーファーとの干渉を防いでいます。

高域には30kHz以上の高域再生が可能な2.5cmドーム型トゥイーター033を搭載しています。
ドーム部はフェノール樹脂を含浸させた2枚のリンネル布を、織り目が45゜の角度で交差するように張り合わせて軽量化を図り、堅牢性を与えています。また、ボイスコイルはドーム径と同じ2.5cmとしており、高音用としては大きめのサイズとすることで優れたトランジェントレスポンスと耐入力特性を得ています。
さらに、独特のクランピング・リングによってドームを確実に固定することで外的な共振を防いでいます。

ネットワーク部には最新技術によるインピーダンス補正回路や位相修正回路を搭載しています。また、空芯インダクターや特性の優れたコンデンサー、抵抗器などの高級パーツを採用しています。

中域と高域用に連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。

エンクロージャーには板振動の優れた高密度コンプレスト剤を用いています。また、バッフル板には特に厚い25mm板を使用しており、大出力時の音像のくずれにも配慮がされています。内部に充分な吸音材を詰めることで定在波を吸収しています。
スピーカーユニットは中央を避けて一直線にマウントされたインライン配置を採用しており、ユニット間のつながりをスムーズにすると共に音像定位を改善しています。

外観にはウォルナット仕上げが施されています。

機種の定格
型式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:25cmコーン型(LE111A)
中域用:13cmコーン型(LE5-10)
高域用:2.5cmドーム型(033)
指向特性 150゜(15kHz)
90゜(20kHz)
許容入力 75W(連続プログラム)
インピーダンス
クロスオーバー周波数 1kHz、4kHz
出力音圧レベル 89dB(新JIS)
寸法 幅362x高さ597x奥行286mm
重量 23kg(梱包時)