JBL 4425MKII
¥195,000(1台、1998年頃)
解説
1985年に発売した4425のリファインモデル。
オリジナル設計コンセプトをそのまま踏襲しながら、プロジェクトK2や4344MKIIなどの開発を通じて蓄積した技術を投入しています。
低域には30cmのコーン型ユニットである1200Hを採用しています。
K2シリーズのテクノロジーを導入しており、パルプ紙にグラスファイバーを混抄したファイバーコンポジット・コーンを採用しています。
さらに、コーン表面に独自のアクアプラス・コーティングを施したことで、分割振動の発生を抑える剛性と、クロスオーバー領域で音をスムーズにつなぐダンピング効果を両立させています。
また、3インチ径・エッジワイズ巻ボイスコイルと新設計の大型ダンパーを採用し、リニアリティを高めると同時にパワーハンドリングを向上させています。
さらに、ボイスコイル・ギャップに対称磁界を作り、第2次高調波歪を低減するSFG(シンメトリカル・フィルード・ジオメトリー)磁気回路を採用することで、歪の少ない中低域特性を実現しています。
フレームにはサスペンション後方への音圧を効率よく逃がす、ダイレクトペンティング方式採用の高強度アルミダイキャストを使用しています。
高域用には2インチのコンプレッションドライバーの175Ndとバイ・ラジアルホーンが採用されています。
ドライバーにはピュアチタン・ダイアフラムを搭載し、独自のダイアモンド構造エッジの採用により振動板とエッジとの共振を排除し、振動板の自由な動きを確保しています。
また、高強度アルミダイキャスト製のバックハウジングに収納し、ダイアフラムのバックプレッシャーをしっかりと受け止めています。
磁気回路には高磁束のネオジウム・マグネットを搭載し、磁気伝導効率の高い内磁型構造にするとともに、ボイスコイル部で発生する熱を効果的に逃がす磁性流体をボイスコイル・ギャップに注入したフェローフルイド・クーリング機構を採用し耐入力を高めています。
ホーン部は近接モニタリングから、中距離モニタリングまで幅広く適応した、水平垂直ともに100゜の定指向性を広帯域にわたって提供する新世代のバイ・ラジアルホーンを搭載してます。
ホーン素材には特殊樹脂を使用し、コンピューターを用いた解析・加工により、スロート部から開口部まで、細部にわたりホーンの形状、厚みを精密にコントロールし、ホーン鳴きやカラーレーションを排除した高い完成度を達成しています。
K2シリーズで確立されたバイアスド・ネットワーク技術をベースに、厳選されたパッシブパーツから構成された高品位ディバイディング・ネットワークを採用しています。
誘電率、構造の異なる複数のコンデンサを並列に組み、固有のカラーレーションを無くすと共に、トランジェント特性を高めた低域ネットワークと、コンデンサを直列/並列のコンビネーションで組んだ高域ネットワークを搭載しています。
さらに、それぞれを独立基板でセパレート配置したことにより、ネットワーク間の電磁気的カップリングを排除しています。
また、高域ネットワークにはDCバイアスを付加するチャージカップル・リニアディフィニション方式を採用し、コンデンサをクラスA動作させることで、ゼロクロス歪を除去し、音の解像度や過渡特性を高める事に成功しています。
高域レベルの調整が可能な連続可変ネットワークを装備しています。
高域と低域が独立した金メッキスピーカー入力端子を装備しており、バイワイヤリング接続やバイアンプドライブが可能です。
エンクロージャーは、入れ替えを容易にするため、4425と同一のバッフルサイズ、フロアサイズにまとめられています。
素材には19mm厚のパーチクルボードを使用し、内部には補強材を配した作りとなっています。
バッフル板にはMDF材を使用し、バスレフポートの開口部になめらかな曲面加工を施し、ホーンと同系色のグレーブラック塗装で仕上られています。
また、インテリア性も重視し、外装は5面ウォールナットつき板仕上げとなっています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット等 | 低域用:30cmコーン型(1200H) 高域用:5cmドライバー(175Nd)+1インチスロート・バイ・ラジアルホーン |
周波数特性 | 35Hz~20kHz -6dB |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
インピーダンス | 8Ω |
許容入力 | 200W(連続プログラム) 800W(ピーク) |
クロスオーバー周波数 | 1100Hz(12dB/oct) |
外形寸法 | 幅409x高さ635x奥行313/360(ホーン部含)mm |
重量 | 25.8kg |
別売 | スピーカースタンド JS-50(1台、¥25,000) |