JBL 4350
4350:¥993,800(1台、1973年発売~1975年頃)
4350WX:¥1,107,900(1台、1973年発売~1975年頃)
解説
モニタースピーカーの最高峰として開発されたフロア型スピーカーシステム。
低域には38cmコーン型ウーファー2230Aを2個搭載しています。
このユニットにはJBL独自のコーティング剤処理が施されたコーン紙やエッジワイズ巻きリボン銅線ボイスコイルを採用しています。
中低域には30cmコーン型ウーファー2202Aを搭載しています。
2202Aは、トッププレートやポールピース、ボイスコイル、ギャップなどに非常に精密な加工を施す事で性能を高めています。また、このユニットにはバックキャビティが設けられており、2230Aとの背面干渉を防いでいます。
中高域にはドライバー2440とホーン2311、音響レンズ2308を組み合わせたホーン型ミッドレンジを搭載しています。
2440には0.076mm厚のアルミ合金ダイアフラムやエッジワイズ巻きアルミリボン線ボイスコイル等を採用しており、JBL独自のエクスポネンシャルホーンと音響レンズによって指向特性を向上しています。
高域にはリング型トゥイーター2405を搭載しています。
2405には0.056mm厚のアルミ箔を空気圧で成型したリングダイアフラムを採用しており、20kHzまでの高域を±3dB以内の特性で再生しています。
ネットワーク部はクロスオーバー周波数250Hzで分割されたマルチアンプ方式となっており、パワーアンプの他に別売のディバイダー5231か5232とフィルター基板52-5121が必要です。
また、中高域には特別設計されたL-Cタイプのネットワークを採用しています。
前面には連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーは厚さ20mmの材料で製造されています。
外観はグレー仕上げとウォルナット仕上げの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・5スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:38cmコーン型(2230A)x2 中低域用:30cmコーン型(2202A) 中高域用:ホーン型(2440+2311+2308) 高域用:リング型(2405) |
周波数特性 | 30Hz~20kHz ±3dB |
指向特性 (12kHzまで、-3dB以内) |
水平方向:60゜ 垂直方向:30゜ |
許容入力(連続プログラム) | 250Hz以下:200W(4Ω) 250Hz以上:100W(8Ω) |
インピーダンス | 250Hz以下:4Ω 250Hz以上:8Ω |
音圧レベル | 95.5dB(新JIS) 110dB SPL(許容入力1/2ピンクノイズ、10feet) 126dB SPL(許容入力1/2プログラム、10feet) |
感度 | 86dB(SPL、10feet、入力1W) 46.5dB(SPL、30feet、入力1mW) |
第3次高調波歪率 | 1%以下(108dB SPL、10feet、33Hz~1.2kHz) 0.6%以下(101dB SPL、10feet、1.2kHz~5kHz) |
クロスオーバー周波数 | 低域:250Hz(12dB/oct) 中高域:1.1kHz、9kHz |
エンクロージャー容積 | 269L(2202A用エンクロージャー34L含む) |
外形寸法 | 幅1,210x高さ890x奥行510mm |
重量 | 110kg(1975年以降のカタログ記載) 125kg(1973年のカタログ記載) |