JBL 4345
¥850,000(1台、1981年発売)
解説
新開発の46cmウーファーを採用したプロフェッショナルシリーズの大型スピーカーシステム。
低域には伝統技術と最新技術を融合して開発された46cmコーン型ウーファー2245Hを搭載しています。
このウーファーは従来の38cmコーン型ウーファーに比べ、単にコーン紙が拡大したというだけではなく、能率やリニアリティ、低歪率など特性面を改善し、優れた低域再生を可能にしています。
コーン部には厳選した素材を使用しており、質量や剛性を最適とするため裏側にJBL独自のダンピング剤(ランサプラス)を塗布しています。また、磁気回路にはJBLオリジナルのSFG構造を採用しており、ボイスコイルギャップ内の磁界を対称とし、ポールピースに巻いたフラックス・スタビライジング・リングと相まって第2次高調波歪を低減しています。さらに、ボイスコイルはピストン運動領域の広い100mm径、長さ25mmのものを採用しており、リニアピーク変位量が20mmに達し、ヒートシンク能力の増大とともにハイパワー時の出力の圧縮を少なくしています。
中低域には25cmコーン型ウーファーの2122Hを搭載しています。
クロスオーバー周波数外の歪を減少させた新コーン紙を採用し、75mm径銅リボンボイスコイル、SFG磁気回路などを搭載しています。
2122Hには密閉型バックキャビティを設けることで、他のユニットからの干渉を防いでいます。
中高域には音響レンズ2308とホーン2307とドライバーユニット2420を組み合わせたホーン型ミッドレンジを搭載しています。
2308/2307は、スロート径2.5cmのドライバーと組み合わせて使用するホーンレンズで、適合ドライバーの相違を除けば2311/2308と同等の性能を持っており、バッフルへのマウント寸法やクロスオーバー周波数も同じとなっています。このホーン/レンズは横幅30cmx高さ30cm以上のバッフルに取り付けた場合、水平80゜x垂直45゜の指向性が得られます。
スラントプレート2308は、付属のマジックテープによってバッフルの前面に固定しています。
高域にはホーン型トゥイーターである2405を搭載しています。
このホーントゥイーターはワイドレンジなスタジオモニター用に開発されたディフラクションホーントゥイーターで、JBLの伝統的な高能率・高耐入力特性を継承しながら、21.5kHzに達するリニア・レスポンスと、水平140゜x垂直40゜(10kHz)の指向性を実現しています。
また、極薄加工のリングダイアフラムに新技術を搭載し、トップエンドレスポンスを改善しています。
ネットワーク部はJBLの新しい高分離ネットワーク設計に基いて開発されており、厳選した大容量コンデンサに小容量コンデンサを加えることで音のつながりを円滑にし、透明感を向上させています。
また、290Hzで2チャンネル・マルチアンプドライブ(チャンネルデバイダー5234使用)する他、内蔵ネットワークによるドライブも可能となっています。
エンクロージャーは21mm厚の硬質パーチクルボードを使用し、さらに内部補強材を非対称配置として定在波などの不要振動を防ぐ設計をしています。また、縦置き専用のミラーイメージペア方式となっており、音像定位と音場再現性を高めています。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
ユニット | 低域用:46cmコーン型(2245H) 中低域用:25cmコーン型(2122H) 中高域用:ホーン型(2420+2307+2308) 高域用:ホーン型(2405) |
周波数特性 | 32Hz~20kHz ±3dB |
指向性 | 水平60゜x垂直30゜(-3dB、16kHz) |
出力音圧レベル | 95dB/W/m |
インピーダンス | 8Ω |
許容入力 | 120W(ネットワーク時) 200W(マルチアンプLo) 100W(マルチアンプHi) |
クロスオーバー周波数 | ネットワーク時:320Hz、1.3kHz、10kHz バイアンプ時:290Hz、18dB/oct |
エンクロージャー容積 | 253L(ウーファー) 14L(ミッドウーファー) |
外形寸法 | 幅765x高さ1096x奥行470mm |
重量 | 104kg |