JBL 4301WX
¥65,000(1台、1977年発売)
解説
放送局や編集室・調整室など限られたスペースでの使用を目的として開発されたコンパクトモニタースピーカー。
低域には20cmコーン型ウーファー116Aを搭載しています。
コーン紙には最適な質量とコンプライアンスを持つ硬質のものを採用しており、ゆとりのある低域特性と低歪率を実現しています。また、不要な共振を防ぐため精密加工のアルミダイキャスト製フレームを採用しています。
ボイスコイルには5cm径銅リボン線エッジワイズ巻きを採用しており、径を大きくすることで過渡特性を改善し、歪も少なく抑えています。さらに、磁気回路にはJBL独自のアルニコVマグネットを用いた大型磁気回路を採用し、トッププレートやポールピース、ギャップなどに至るまで超精密加工したもので構成されてます。
高域には3.6cmコーン型ダイレクト・ラジエーターLE25-2を搭載しています。
コーン紙は十分な剛性と適度な内部損失を持つものを採用しており、センタードームと一体になってクリアな高域再生を可能にしてます。また、このユニットは指向特性の向上を図るため、コーン及びセンタードームの直径をできるだけ小さくしており、水平・垂直90゜の拡散能力を実現しています。
ボイスコイルには1.8cm径銅リボン線エッジワイズ巻きボイスコイルを採用しており、振動板と比較して大きいボイスコイルを使用することで能率を高め、過渡特性も向上しています。また、磁気回路には重量0.7kg、15,000ガウスの高磁束密度のものを採用しています。
LE25-2は振動板の周囲を高密度フォームで包んだ構造となっており、有害なスプリアス放射や反射などを吸収し、よりクリアな高域再生を可能にしています。
ネットワーク部は、ユニット間のつながりを滑らかにするため、位相特性やインピーダンス補正などを検討して設計されています。
また、パーツには低損失インダクターや特性の優れたコンデンサーを採用しており、クロスオーバー付近での周波数の乱れを防いでいます。
連続可変式のレベルコントロールを搭載しており、高域のレベル調整が行えます。
エンクロージャーは振動に対する強度を高めるため、JBL独自のウッドウェル(木の溶接)という接合方法が施されています。また、素材にはパーチクルボードの中から厳選した最上級の硬縮材である19mm厚の高密度コンプレスト材を使用しており、耐久性を高めるとともに不要な振動を抑えています。
外観は光沢のあるウォルナット仕上げとブルーのフロントグリルでまとめられてます。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型(116A) 高域用:3.6cmコーン型(LE25-2) |
周波数特性 | 45Hz~15kHz ±3dB(正弦波、軸上) |
指向特性 | 水平・垂直:90゜(10kHzまで、-6dB以内) |
最大許容入力 | 15W(RMS) |
インピーダンス | 8Ω |
クロスオーバー周波数 | 2.5kHz |
出力音圧レベル | 88dB/W/m(新JIS) 39dB/1mW/9.1m |
エンクロージャー内容積 | 28L |
寸法 | 幅291x高さ483x奥行306mm |
重量 | 12kg |