
JBL 7510
¥700,000(1983年頃)
解説
JBL独自の電子技術を駆使して開発されたオートマチック・マイクミキサー。
4チャンネルのマイク入力を備えており、別売りのモジュラーユニット7510-01を追加することで4チャンネル単位で最大24チャンネルまで増設できます。
入力はコンデンサーマイク用の48Vファントム電源供給機能を持つ平衡タイプとなっています。
出力はフローティングタイプの1系統と、外部エフェクター機器へ各入力の信号を供給するためのダイレクト出力端子(不平衡、最大24チャンネル)を備えています。また、外部エフェクター機器からのリターン信号を受けるAux入力端子(不平衡、1チャンネル)も備えています。
7510はパネル面のトグルスイッチがONポジションの時は通常の手動ミキサーとなり、AUTOまたはPRIORITYポジションで真価を発揮するように設計されています。
AUTOポジションではデジタル・ロジック回路が全てのマイクに共通する入力(暗騒音)と、特定のマイクへの入力(信号音)を常に比較し、必要なチャンネルだけを動作させます。そして、動作しているチャンネルの数に関係無く出力レベルが一定となるよう、自動的にゲインをコントロールします。これによって従来のコンプレッサーやミキサーでは避けられなかったダイナミックレンジの変動やブリージングを伴わずに一定のフィードバックマージンを保っています。また、ライズタイムは30msから60msとなっており、パル支部な音楽信号の立ち上がりへの影響を抑えています。スレッショルドレベル可変型となっています。
PRIORITYポジションでは、このポジションにセットされたチャンネルが他に優先して動作します。これにより会議などで議長の発言を他に優先して伝達することができます。
高速・高忠実度なノイズゲートとしてマルチマイク録音に活用することができます。また、コンサートのSRに使用すると、ハウリングにいたるまでのシステムゲインが上がり、しかもプリセット後は無調整でよくなります。
機種の定格
型式 | マイクミキサー |
<オートマチック・ミキサー機能> | |
入力アタックタイム | 10ms~10μs、可変 |
入力ライズタイム | 30~60ns |
入力リリースタイム | 100ms~5s、可変 |
各チャンネルアッテネーター | 26dB(max)、可変 |
<マイク入力> | |
ソースインピーダンス | 150Ω以下(D3F、ファントム電源48V付) |
入力レベル | 2.5mV |
最大入力レベル | 31.5mV RMS |
その他 | 入力4ch実装済み モジュール7510-01(4ch)を追加することで最大24chまで可能 |
<Aux入力> | |
ソースインピーダンス | 2kΩ以下(アンバランス、6mmフォーンジャック) |
入力レベル | 1.23V RMS(+4dBm) |
最大入力レベル | 11V RMS |
<最大利得> | |
インプットモジュール | 65dB(600Ω負荷)、72dB(270kΩ負荷) |
アウトプットモジュール | 9dB(600Ω負荷)、12dB(220kΩ負荷) |
トータル・ゲイン | 78dB(600Ω負荷)、83dB(220kΩ負荷) |
<その他> | |
負荷インピーダンス | 600Ω以上(D3M) |
出力インピーダンス | 360Ω(1kHz) |
最大出力レベル | +25dBm(カタログ記載) +24dBm(テクニカルマニュアル記載) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.3dB(カタログ記載) 20Hz~20kHz ±0.5dB(テクニカルマニュアル記載) |
ノイズ | -130dBV(150Ω入力、出力0.775V RMS) |
全高調波歪率 | 0.075%(カタログ記載) 0.2%以下(マイク入力→メイン出力、35Hz~20kHz、テクニカルマニュアル記載) |
ダイレクトアウトプット | 負荷インピーダンス:600Ω以上(アンバランス6mm、フォーンジャック) 出力インピーダンス:600Ω 最大出力レベル:+16dBm |
電源 | AC100V-120V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅483x高さ133x奥行292mm(3EIAスタンダードサイズ) |
重量 | 本体:6.1kg(4ch実装) インプットモジュール7510-01:0.7kg |
別売 | 7510用増設モジュール(4ch) 7510-01(¥250,000) |