
JBL SG620
¥460,000(1980年頃)
解説
JBLのサウンドポリシーと回路技術を集大成したプリアンプ。
SG620ではコントロールセンターとして、あらゆる入力信号に対応する機能面の充実と音質の純化を追求しています。
MCヘッドアンプ部には全段A級プッシュプル動作を採用しています。
入力信号を扱う初段はパラレルに接続されたローノイズの大型デバイスで構成しており、音質のクオリティを損なわないようDC結合しています。
Phonoアンプ部は初段を高入力インピーダンス化することでどんな入力に対しても歪が最小限に抑えられています。また入力抵抗や入力容量の可変スイッチを設けることであらゆるMMカートリッジへの対応を図っています。
イコライザー段は動的歪を追求したセミパッシブフィルターで構成されており、広いダイナミックレンジを実現しています。さらに、初段とイコライザー段の間にサブソニックフィルターが設けられており、ディスク再生時に生じる可聴周波数以下の有害な帯域3~7Hzをユニークな設計によってカットしています。
ハイレベルアンプはA級プッシュプル、コンプリメンタリー構成を採用しています。初段は高速デュアルFETを駆使した独自のフローティング・カスコード接続を採用しており、リニアリティの良い反応を実現しています。
トーンコントロール回路はハイレベルアンプ内に設けられており、パッシブ素子のみで構成されています。
調整はステップ式となっており、フラットポジションにセットするとトーン回路は完全にディフィート状態となります。
電源部にはレギュレーションの優れた対称構成のローノイズデバイスを採用しており、各ブロックに安定した電源供給を行っています。
コネクター類や接点には金メッキのものを採用しており、経年劣化や接触歪を抑えています。
MCヘッドアンプのゲイン切替、イコライザー段の入力抵抗、入力容量の切替を備えています。
また、ラウドネス感度切替やプロセッサー回路を採用するなどのコントロール機能を備えています。
機種の定格
※規定のない場合は出力3V、負荷10kΩ | |
型式 | コントロールアンプ |
<MM Input(Tape out)> | |
利得(1kHz) | 37dB |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、3V出力、600Ω負荷) | 0.008% |
ハム&ノイズ(Aネットワーク) | 0.35μV入力相当 |
チャンネルセパレーション(10kHz) | 65dB |
最大許容入力(1kHz、THD 0.02%) | 250mV |
RIAA偏差 | ±0.25dB |
<MC Input(Tape out)> | |
利得(1kHz) | 60dB(Low gain) 69dB(High gain) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、3V出力、600Ω負荷) | 0.008% |
ハム&ノイズ(Aネットワーク) | 0.04μV入力相当(High gain) |
チャンネルセパレーション(10kHz) | 60dB |
<High Level Input(Pre out)> | |
利得(1kHz) | 19dB |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、3V出力、600Ω負荷) | 0.008% |
ハム&ノイズ(20Hz~20kHz) | 3μV入力相当 |
チャンネルセパレーション(10kHz、ボリューム最大) | 60dB |
周波数特性(ボリューム最大) | 2Hz~350kHz +0 -3dB |
付属機能 | 入力抵抗スイッチ(33/47/100kΩ) 入力容量スイッチ(High/Low) |
トーンコントロール | Bass/Treble:±8dB |
サブソニックフィルター | 15Hz cut |
ラウドネスコントロール | High/Low |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅432x高さ98x奥行334mm |
重量 | 9kg |