解説　

超低域から超高域まで色付けの無い緻密な質感と、音場・定位再現性を追求したフロア型スピーカー。

IRS-EPSILONには専用のサーボコントロールアンプが付属しています。
回路にはIRS-BETAを踏襲したアクティブサーボ制御を採用しており、低音域での優れた波形再現能力とリアルな超低域再生を実現しています。
また、バイアンプ構成によるドライブ方式を採用しているため、駆動には低域用と中高域用の2台のパワーアンプが必要です。

低域には30cmIMGコーン型ウーファーを搭載しています。
IMGコーンはポリプロピレンとカーボングラファイトファイバーを組み合わせた構造となっており、不要共振を抑え優れたダンピングと高い強度を得ています。これによりハイパワー状況下でのコーンの変形を最小に抑えています。

中低域には新開発の特殊型ユニットであるL-EMIMを採用しています。
この平面駆動ドライバーは特殊設計のマグネット・アッセンブリーと30cmウーファーに匹敵する面積を持つダイアフラムで構成されています。磁気回路は独自のプッシュプルマグネット機構を採用しており、歪を打ち消すながら優れた過渡特性を得ています。

中域にはインフィニティ独自の特殊型ユニットであるHE-EMIMを搭載しています。
HE-EMIMのダイアフラムには従来の1/2にローマス化されたカプトン薄膜を採用しており、ボイスコイルはダイアフラム上にフォトエッチングされています。この振動板にネオジウムマグネットを組合せ、スピードや能率、リニアリティを改善し、HE-EMITトゥイーターとのつながりを改善しています。

高域にはHE-EMITを2個搭載しており、前面に1個、背面に1個マウントされています。
HE-EMITには超ローマス・カプトン薄膜ダイアフラムとネオジウムマグネットを採用しており、プッシュプルマグネット構造で駆動することで42kHzまでの再生を可能にしています。
また、HE-EMITは前面と背面にマウントされており、前面のHE-EMITは左右のスリットに10kHzまでの音響透過メカニカルフィルターを持たせることで高域でのアパチュア効果を改善しています。さらに背面にもHE-EMITを搭載することで双指向の優れた音場感を獲得しています。

ネットワークは、均一性を高めハイパワー時にも本来の設定を維持できるようコンピューターによる解析と厳密な試聴を繰り返して設計されています。これにより時間領域の位相管理を徹底しています。
パーツにはソーレン社製コンデンサーやモンスターケーブルを使用するなど厳選したものを使用しています。さらに、トゥイーターにはDCバイアス方式が採用されており、音質面での配慮がされています。
平面駆動の各ユニットはレベル調整が可能となっています。

エンクロージャーは重心の低い安定性に優れた構造を採用しています。また、バッフル面にはカーブ形状が設けられており、精密なコンピューター解析で回折作用を排除しています。
さらに、スピーカーから放射される前面波と後面波の干渉領域に着目し、中高音帯域には音場空間の再現性の良い双指向性ユニットの特長を発揮させ、中低音帯域では回りこみによる特定帯域の落ち込みを回避した背面ローディング構造を採用しています。これにより広い試聴空間に対して極めてスムーズで均一な特性を持たせています。

入力端子には腐食の少ない真鍮製の金メッキ端子を採用しています。
また、大型ターミナルを採用することで太いケーブルや特殊なコネクターにも対応しています。

機種の定格

方式	4ウェイ・5スピーカー・密閉方式・フロア型
使用ユニット	低域用:30cmコーン型 中低域用:特殊型(L-EMIM) 中域用:特殊型(HE-EMIM) 高域用(前面):特殊型(HE-EMIT) 高域用(後面): 特殊型(HE-EMIT)
インピーダンス	4Ω
周波数特性	30Hz～42kHz ±1.5dB
クロスオーバー周波数	150Hz、500Hz、3kHz
感度	87dB(1m/2.83V)
推奨アンプ出力	150W～500W/channel
外形寸法	幅468x高さ1,570x奥行440mm
重量	78.5kg(梱包時90kg)
付属	サーボコントロールアンプ