
INFINITY Delta 30
¥80,000(1台、1999年頃)
解説
Deltaシリーズのトールボーイ型スピーカーシステム。
低域には17cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットの振動板にはAPG(Acrylic Polymer Graphite) plusコーンを採用しています。これは内部ダンピング性の高いアクリルポリマーとグラファイトの持つ堅牢性を組み合わせた従来のAPG
plusコーン技術をベースにしたもので、カーボンファイバーの比率を高めるとともに長繊維Kevlarファイバーをプラスすることでより堅牢で軽いコーンを実現しています。また、APG
plusコーンはエアー漏れとコーンの吸湿性を防ぐためポリエチレンコーティングが施されています。
中域には11cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットは強化繊維でできた無共振シャーシに固定されています。また、サスペンションには超直線性を持つ低損失ラバー使用し、長期にわたる信頼性とパフォーマンスを実現しています。さらに、ベンチレートポール構造によってコンプレッションを最小限に抑えており、自由でしかもコントロールされたコーンの動きを可能にしています。
磁気回路にはデュアルマグネット方式を採用しており、ボイスコイルのギャップに強力な磁界を発生させ、高能率とより滑らかな周波数応答を実現しています。
高域にはインフィニティ独自の特殊型ユニットであるEMIT-Rトゥイーターを搭載しています。
このユニットではボイスコイルがダイアフラム全面をカバーしており、駆動力がダイアフラムを均一に通過する形で一体性のあるダンピング効果によってピストン運動を行っています。これにより通常のトゥイーターで見られる歪を軽減させています。
さらにEMIT-Rトゥイーターには自動リセット回路によるオーバーロード防御対策が施されています。また、軽量アルミニウムワイアと超剛性耐熱プラスチックPPTEの積層構成によるダイアフラム/ボイスコイル一体構造を採用しています。
トゥイーター前面にはフェースプレートが設けられており、シルキーなスムースさと広がりのあるサウンドを実現しています。
ネットワーク部には厳選されたパーツを使用しており、ハイグレードポリプロピレンキャパシターやPコアインダクター、金属皮膜抵抗が使用されています。
プリント基板は最小の信号損失と低歪を目指したヘビーデューティー設計となっており、さらに低域と中・高域はセパレート基板方式とすることで相互干渉を排除しています。
キャビネットにはQコントロール方式バスレフシステムを採用しています。Deltaのバスレフ方式ではダクトの乱気流を無くすと同時にシステム効率を高め、低域再生能力を拡大しています。
このキャビネットは台形構造となっており、不平行の二面によって内部定在波と共鳴を低減し、従来の立法形構造のスピーカーに共通の箱鳴り感を抑えています。また、上と底と前の三面は19mm厚パネル構成となっており、キャビネットは音域セクション毎にセパレート分離構造となっています。さらに、隔離室には最適音響特性を得るため、厳選された吸音材を採用しています。
外観はオーク調仕上げとなっています。
キャビネットエッジ部での反射を防ぐため、特殊発泡材をグリルフレームの一部に装着しています。
これによりトゥイーターユニットを常に露出状態に保ち、高音域で最高のパフォーマンスを得ています。
最適設置と床面からの遮断のため、特殊なアクリル台座を装備しています。また、3個のスパイクが付属しており、完全な水平レベル位置の設置が可能です。
なお、前面のスパイク2個は外観上見えるため、台座ベースにフィットしたInifinityのカスタムデザインに仕上げられています。
スピーカー端子にはバイアンプやバイワイヤリングに対応した金メッキ端子を使用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型 |
使用ユニット | 低域用:17cmコーン型 中域用:11cmコーン型 高域用:特殊型(EMIT-R) |
周波数特性 | 50Hz~35kHz |
出力音圧レベル | 89dB |
インピーダンス | 6Ω |
推奨アンプ出力 | 15W~100W |
クロスオーバー周波数 | 450Hz、3.8kHz |
外形寸法 | 幅226x高さ818x奥行355mm |
重量 | 19kg |