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harman/kardon PM665
¥158,000(1985年頃)
解説
アンプ自体の裸特性を向上させ、NFBを最少限に抑えることでソースの音楽性を追求したPMシリーズのプリメインアンプ。
PMシリーズではパワー段に2クラス上のパワートランジスタを採用し、余裕のある強力電源部を搭載することでHICC(瞬時電流供給能力)を高めています。これによりスピーカーのインピーダンスが急激に低下しても、位相に大幅なズレが生じても、常に安定したパワー供給が可能となっています。
裸特性を高めることで低NFBを実現しており、12~20dBのNFBの範囲で1Hz以下から150Hzまでの周波数特性をクリアしています。
保護回路には独自の高速電子プロテクションを採用しています。
この回路では電流量と時間経過で常時監視し、危険領域直前で動作を停止します。この方式では出力側にリレーを使用しておらず、音質劣化を防いでいます。
インバーテッドダーリントン方式を採用することでドライバー段を定電圧駆動しています。
イコライザー回路にはCR型とNF型の長所を活かしたデュアルRIAAイコライゼーション回路を採用しています。
この方式では最初にCR型で完全なRIAAカーブを得たのちに、NF型によって同一特性で浅いNFBをかけ、最終的なRIAA特性を得ています。このため一般的に多いNF型で陥りがちなTIM歪からの影響を回避でき、音質の良さに加えて高いSN比とダイナミックレンジの拡大を実現しています。
MCカートリッジに対応しています。
ボリュームには連動誤差の少ないDカーブ型ボリュームを採用しています。
このボリュームでは常用位置が中点(12時点)に近く、レベル差が出にくくなっています。
ラウドネス回路としてバスコンターを搭載しています。
この回路は新設計の位相シフト段によって300Hz以下で動作し、50Hzで+10dBのブーストが可能です。これにより1kHz点ではどの様な波形にも影響を与えず、従来方式のような中域へのかぶり現象がありません。
サブソニックフィルターを搭載しています。
トーンコントロール回路のターンオーバー周波数の切換が可能です。
プリアンプ部とパワーアンプ部の独立した使用が可能です。
外観には複数のバリエーションがあり、日本では全体がブラックのモデルとツマミだけ色が異なるモデルがあったようです。
また、海外ではオールシルバーのモデルがあったようです。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
出力(20Hz~20kHz) | 100W+100W(8Ω) |
ダイナミック出力(IHF、1kHz、0.5secバースト波) | 340W(2Ω) 230W(4Ω) |
HICC(瞬時電流供給能力) | 60A(0.1Ω、10μsec、1パルス) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.2mV/47kΩ Phono MC:120μV/56Ω Video/CD:135mV/22kΩ Main in:0.8V/22kΩ |
Phono最大許容入力 | MM:220mV MC:12mV |
出力レベル/インピーダンス | Pre out:0.8V/22kΩ |
サブソニックフィルター | 15Hz/-3dB |
バスコンター | +10dB(50Hz)、+2dB(300Hz) |
トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
消費電力 | 270W |
外形寸法 | 幅443x高さ134x奥行398mm |
重量 | 15.0kg |