
harman/kardon PM635
¥39,800(1986年頃)
解説
アンプ自体の裸特性を向上させ、NFBを最少限に抑えることでソースの音楽性を追求したPMシリーズのプリメインアンプ。
PMシリーズではパワー段に2クラス上のパワートランジスタを採用し、余裕のある強力電源部を搭載することでHICC(瞬時電流供給能力)を高めています。これによりスピーカーのインピーダンスが急激に低下しても、位相に大幅なズレが生じても、常に安定したパワー供給が可能となっています。
裸特性を高めることで低NFBを実現しており、12~20dBのNFBの範囲で1Hz以下から150Hzまでの周波数特性をクリアしています。
保護回路には独自の高速電子プロテクションを採用しています。
この回路では電流量と時間経過で常時監視し、危険領域直前で動作を停止します。この方式では出力側にリレーを使用しておらず、音質劣化を防いでいます。
インバーテッドダーリントン方式を採用することでドライバー段を定電圧駆動しています。
イコライザー回路にはCR型とNF型の長所を活かしたデュアルRIAAイコライゼーション回路を採用しています。
この方式では最初にCR型で完全なRIAAカーブを得たのちに、NF型によって同一特性で浅いNFBをかけ、最終的なRIAA特性を得ています。このため一般的に多いNF型で陥りがちなTIM歪からの影響を回避でき、音質の良さに加えて高いSN比とダイナミックレンジの拡大を実現しています。
ボリュームには連動誤差の少ないDカーブ型ボリュームを採用しています。
このボリュームでは常用位置が中点(12時点)に近く、レベル差が出にくくなっています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
出力(20Hz~20kHz) | 30W+30W(8Ω) |
ダイナミック出力 (IHF、1kHz、0.5secバースト波) |
90W(2Ω) 75W(4Ω) |
HICC(瞬時電流供給能力) | 15A(0.1Ω、10μsec、1パルス) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.2mV/47kΩ Video/CD:135mV/22kΩ |
Phono最大許容入力 | MM:130mV |
トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
消費電力 | 165W |
外形寸法 | 幅443x高さ103x奥行369mm |
重量 | 6.3kg |