解説　

厳密なドライバーユニットのマッチングと緻密なエンクロージャーチューニング技術によって高い完成度を追求したスピーカーシステム。

低域には20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板素材にはポリプロピレンを用いたRADIALコーンとなっており、3種類のポリマーを中心部から周辺部へかけて微妙に組成を変えて配置する独自のブレンドによってダイアフラム表面で発生する様々な現象への対応を図っています。
ボイスコイルには25mmアルミボイスコイル、フレームにはダイキャストを使用しています。

高域にはカスタムメイドの1.9cmハードドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板は黒色陽極処理アルミニウムを使用しています。また、ボイスコリウにはフェロフルイド・クールド処理が施されており、磁性オイルの塗布によって高熱時の熱拡散を促進し、安定性を高めています。

ドライバーユニットの厳密なマッチングが図られており、全帯域で誤差0.75dB以内という厳密な基準を満たしています。
また、各ユニットは防磁処理が施されており、漏洩磁束によるブラウン管などへの影響を排除しています。

ネットワーク部は3D音響モデリング・ソフトウェアであるHalNETを駆使して設計されており、さらに試聴とチューニングによってより緻密な再現性を追求しています。
HalNET(Harbeth Acoustics Loudspeaker Network Analyzer)はハーベスが独自に開発したウインドウズベースのプログラムで、様々なリスニング・エリアにおけるスピーカーの動作を想定し、コンピューター内でバーチャルなネットワークを構築して周波数特性を予測できます。これにより迅速かつ確実にスピーカーを練り上げています。

エンクロージャー構造はHL-Compact7で確立されたチューニングテクノロジーSTSを継承して設計されています。
STS(Super Tuned Structure)は、エンクロージャーを構成する木材をいたずらに厚く、剛体化するのではなく、極薄い素材が音楽に合わせて呼吸するかのようにチューニングするハーベス独自の技術となっています。このため、エンクロージャーは適度な損失を設けた柔軟な構造となっており、音楽再生にとって有害な共振や共鳴要素を回避しつつ自然な再現性を獲得しています。また、HL-K6では内部吸音材にも新たに検討が加えられており、車両のドアや床部にも使用されているコットン・ベースの素材を採用しており、共振制御を図っています。

フロントバッフルには新たにFixed Baffle方式を採用しており、フロントバッフルをエンクロージャーにグルーで接着しています。接合部は15mmのバッフル厚を1/3程度まで削った上でエンクロージャー側に設けたスリットにはめ込み、これをグルーで圧着しています。
この構造によってウーファーが振動することで発生するテンションをバッフル/エンクロージャー接合部で熱変換し、内部損失を大きくし、共振の起こりにくい構造としています。
また、STSによるチューニングと連動すべく、接合部の圧着度は細心・微妙に調整されており、エンクロージャー全体のエネルギー伝達を最適化しています。
さらに、トゥイーターユニットをフロントからマウントしたのに対し、ウーファーユニットをリアからマウントすることによって的確なタイムアライメントと最適な位相整合性を獲得しています。

外観はチェリー仕上げが施されています。

グリル部にはハーベス独自のコンセプトであるFlameless Frame方式を採用しており、グリルとエンクロージャーの嵌合性を向上し、音波放射、周波数特性、指向特性と音像定位を整えています。

別売りオプションとして新設計のスピーカースタンドStand K6がありました。
このスタンドは高さ520mmに設計されており、HL-K6のキャビネット上端が耳の高さの位置にくるよう設計されています。また、さらなるチューニングにも対応するため、トッププレートを外して内部に砂や鉛等を充填することができます。

機種の定格

方式	2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計
使用ユニット	低域用:20cmコーン型 高域用:1.8cmドーム型
再生周波数帯域	50Hz～20kHz ±3dB(@1m)
ペア・マッチング精度	0.75dB以内
インピーダンス	8Ω
最大音圧レベル	86dB/W/m
許容入力	40～150W
クロスオーバー周波数	3.6kHz、18dB/oct
入力端子	金メッキ、バナナプラグ対応、バイワイヤリング接続可能
外形寸法	幅250x高さ440x奥行308mm
重量	10.4kg
別売:スピーカースタンド Stand K6(2台1組、￥70,000)
外形寸法	幅260x高さ520x奥行355mm