オーディオの足跡

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dm38の画像
 解説 

Zedアンプサーキットを採用したステレオパワーアンプ。


ZedアンプサーキットではDr.Bruce Halcro Candy氏の独自の理論に基づく回路設計とパーツの選択によって徹底した歪の低減を実現しています。
1kHzにおける高調波歪率は200ppb以下という驚異的な超低歪率を実現しています。

入力段には歪改善を果たした独自の差動増幅入力回路を搭載しています。また、入力回路基板には4層基板を採用しており、信号ラインと電源のアース電位の明確化とラインインピーダンスの低減を実現しています。

出力部基板には6層基板を採用しており、出力素子による非直線磁界を打ち消すと供に、アースと信号電位の明確化を図っています。

入出力基板間と入出力端子間には分厚いアルミプレートによるエディカレント・シールドスクリーンを設置しており、パワー段の大電流によって発生する渦電流を吸収し、入力部へのノイズ混入を防止しています。これにより電磁干渉を排除して歪とノイズの低減を図っています。

出力部からの信号ラインには金メッキのソリッド・カッパー同軸を採用する事で伝達ロスとノイズ混入を徹底的に防止しています。
また、極太のソリッドカッパーバーを出力インダクタンスとして直接用いており、その太さと質量によってコイルの膨張や収縮・振動を防いで不要輻射を抑えています。

出力段にはV型MOS-FETを採用しています。
V型MOS-FETは応答速度が速くクロスオーバー歪の発生が少ない真空管の三極管に似た出力特性と豊かな音色を特長として持っていますが、バイアスと温度管理が難しいデバイスとなっています。この素子をあえて用いる事で優れた音質を得ています。

パワーFETには動作伝達特性が近く、かつ耐圧の異なる素子同士を組み合わせた独自の回路形式を採用しています。
推奨コンプリメンタリー素子をあえて用いない事で音質への影響の大きい奇数次高調波歪の低減を実現しています。

Vishayやドイツ・ローダーシュタイン社製の高精度抵抗や、WIMA製の高耐圧コンデンサなど、信頼性や耐久性に優れた工業用規格パーツを採用しています。
また、FT=18GHzの超高周波トランジスタなどの特異なパーツ選択によって優れたパフォーマンスを実現しています。

プリアンプdm8やdm10と組み合わせる事で電流伝送(カレントドライブ)が可能です。
これによりプリアンプ-パワーアンプ間のケーブルに影響されたない高純度信号伝送が可能です。


電源部にはUPFC(Universal Power Factor Corrected)パワーサプライを搭載しています。
この電源は広範囲の電源電圧(85V~270V)/周波数(45Hz~65Hz)に自動対応すると供に、複数の電気機器の使用に起因する電流歪を規制したヨーロッパの新CE規格(2002年)をいち速くクリアし、つねに安定した電源供給を可能にしています。

ACパワー入力部にスイス製のフィルター素子を用いたコモンモード/シリーズモード7次EMIフィルターを搭載しており、ACラインから電源部へのノイズ混入と外部への干渉を抑えています。

電源のスイッチング周波数を負荷条件やAC電源の状態に関わらず、可聴帯域を超えた115kHzに固定しています。
変調ノイズの発生を防ぐ高精度発振回路や周波数安定回路と相まって、オーディオ帯域への干渉を排除し、ノイズの発生を抑えています。

一次電源回路によって電圧/電流ひずみを除去しクリーン化したDCは大容量コンデンサに貯蔵されます。そしてこのクリーンなDCパワーを用いて再度115kHzのスイッチング電源を稼働させるDC/DCコンバーターを搭載する事で、高純度なDCを生成しています。
また、DC/DCコンバーターに大容量高周波トランスを挟むことで電源部とアンプを完全にアイソレーションしています。さらに、DC出力部に大型フェライトリングを用いたEMIフィルターを用いる事でノイズの発生と相互干渉を排除しています。

電源部は独立した別筐体に収納されており、物理的にオーディオシャーシから隔離する事で電気的/電磁的干渉を排除しています。

空気圧で作動するスタンバイスイッチや、光ファイバー伝送によるインジケーターLEDを採用しています。
リードワイヤの引き回しによるノイズの混入や電源部品のシャーシへの接触を防止するため、入念な配慮がされています。


電源回路には最大電流、平均電流の制限回路や温度保護回路、電源電圧センサー、スイッチング回路感知センサーなどの保護回路を装備しています。
また、オーディオ部にも出力電流制限回路や温度センサーによる電流制限回路、アクティブ方式のパワートランジスタ保護回路などを装備しており、あらゆる異常動作から機器を保護します。

バランス/アンバランス入力端子のほかに、dm8やdm10との電流伝送モードに用いるカレントモード入力を搭載しています。

出力端子にはオリジナルの金メッキ大型コネクターを採用しています。
このコネクターはバナナプラグにも対応しています。


デザインはタワー型となっており、筐体は電源部とアンプ部をそれぞれ独立して収納し、回路間の距離を保ちつつ設置床面積を最小化した理想的なレイアウトを実現しています。
縦に長くスリットの入ったヒートシンク構造によってチムニー効果による優れた放熱効果を得ています。

曲線のヒートシンクや、落ち着いた風合いの表面処理、天然木ブロック削り出しのウッドスタンドを組み合わせたデザインとなっています。

標準のシルバー仕上げに加え受注生産モデルとしてミッドナイトブラック仕上げがありました。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力 180W+180W(8Ω)
350W+350W(4Ω)
全高調波歪率 -130dB(1kHz)
SMPTE-IM -110dB
入力端子 XLRバランス:1系統
RCAアンバランス:1系統
RCAカレントモード:1系統
外形寸法 幅400x高さ790x奥行400mm
重量 55kg