
Hafler XL-600
¥300,000(1990年代前半頃)
解説
先端技術をベースに数々の改良を加えた開発したステレオパワーアンプ。
XL-600はSWDT法(ストレート・ワイヤー・ディファレンシャル・テスト)を用いて設計されています。
この方法は、理想のアンプでは入力と出力の間にはゲイン以外の差が存在しないという単純な論理に基づくもので、出力信号から入力信号を差し引いて何らかの信号音が再生されるなら、アンプ自身に歪や付帯音の原因が存在するという比較テストです。
初段にはカスコード接続されたFETによるダブル差動プッシュプル回路を採用しており、位相の変化の無い回路を構成しています。また、2段目はカレントミラー負荷とすることで高域特性を改善し歪も低減しています。そして出力段は16個のMOS-FETを並列接続しています。
さらに回路はダイレクトカップリング方式によってTIM歪の少ない構成となっています。裸特性が良いため、オーバーオールでのNFBは30dB以下に抑えられています。
電源部はトランスを除いて左右完全独立構成となっており、セパレーションを高めるとともに電源の供給効率を改善し、大入力にも安定した音質を維持しています。また、総計72,000μFに及ぶ大容量コンデンサーを搭載し優れた低域特性を実現しています。
大型ヒートシンクとノイズの少ないDCファンによって冷却能力を高めています。
900W(1Ω負荷)を超える大電流が流れてもアンプとスピーカーを保護するリレー回路が組み込まれています。
入出力コネクターには金メッキ端子を採用しています。
BTL接続によってハイパワーモノラルパワーアンプとして使用できます。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 305W+305W(8Ω、THD 0.05%以下) |
連続出力 | 450W+450W(4Ω) 900W(8Ω、BTL接続時) |
周波数特性 | 10Hz~50kHz ±0.1dB 0.1Hz~500kHz ±3dB |
SN比 | 100dB以上(305W、8Ω) |
入力インピーダンス | 47kΩ |
ダンピングファクター | 200(1kHz、8Ω) 150(10kHz、8Ω) |
外形寸法 | 幅484x高さ180x奥行330mm |
重量 | 23.2kg |