
Hafler DH-500
価格不明(1981年頃)
解説
音楽性豊かな音を目指して開発されたステレオパワーアンプ。
初段に差動アンプを備えた全段直結上下対称型フルコンプリメンタリー回路を採用しています。
また、パワー段はパワーMOS-FETをトリプルプッシュプルで構成しており、電流供給能力はショートサーキットにおいて最大20A以上を達成しています。これによりスピーカーからの逆起電力によるダイナミックインターフェイス歪を減少させています。
電源部には大型パワートランスと40,000μFにも及ぶコンピューターグレードのコンデンサーを使用しています。
ヒートシンク部は低騒音温度制御型クーリングファン付きのチムニー構造を採用しており、モジュール化しています。
保護回路として熱検出型保護回路を搭載しており、万一ヒートシンクが75℃以上になった場合は自動的にサーマルブレーカーが作動して回路を遮断し、空冷ファンが最高速で回って急速に正常動作温度領域に引き戻します。
また、スピーカー保護として自動復帰型保護回路を搭載しており、出力端子に±1.8V以上のDC電圧やサブソニックノイズが発生した場合にはリレーが動作してスピーカーを保護します。この回路は電源ON/OFF時のショックノイズを防止するミューティング機能も兼ねています。
オプションとして販売されたBTLアダプターキットDH-502を内部に組み込むことで800W(8Ω)の大出力モノラルパワーアンプとしての使用も可能です。
DH-500にはキットモデルもありました。
このキットは回路基板は計測器を必要としないよう検査/調整済みとなっており、アッセンブリーマニュアルに従って作業を進めることで簡単に組立てが可能でした。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 255W+255W(8Ω、両ch駆動、20Hz~20kHz、歪率0.025%以下) |
全高調波歪率 | 0.002%以下(1kHz、255W、8Ω) 0.007%以下(10kHz、255W、8Ω) |
混変調歪率 | 0.007%以下(1W~255W、8Ω) |
周波数特性 | 0.5Hz~120kHz -3dB(1W) 5Hz~40kHz ±0.5dB(255W) |
チャンネルセパレーション | 60dB以上(1kHz) |
S/N比 | 100dB以上(聴感補正無し、8Ω、255W) 90dB以上(IHF3.12規格、8Ω、1W) |
入力インピーダンス | 33kΩ |
入力感度 | 2.35V(8Ω、255W) 0.145V(8Ω、1W) |
ダンピングファクター | 200以上(8Ω、1kHz) 60以上(8Ω、10kHz) |
ライズタイム | 2.5μsec(80Vp-p、10kHz) |
スルーレイト | 45V/μsec(120Vp-p、1kHz) |
保護回路 | オーバーヒート保護回路 3スピード強制空冷ファン スピーカープロテクション回路 |
使用半導体 | パワーMOS-FET:12個 トランジスタ:27個 ダイオード:24個 ツェナーダイオード:6個 IC:1個 |
電源 | AC100V/120V/200V/220V/240V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 230VA(アイドリング時) 1,150VA(8Ω負荷、両ch定格出力時) |
外形寸法 | 幅483x高さ184x奥行330mm |
重量 | 20.4kg |
別売 | BTLアダプターキット DH-502 |