FOSTEX SLE20W
¥11,800(1個、1972年頃)
¥16,000(1個、1976年頃)
解説
エッジレス型の20cmコーン型ウーファーユニット。
アコースティック・ローパスフィルターとプッシュプル型ダンパーを採用したSLE(Super Long Lenear Excursion)方式によってエッジを排除しています。
従来のスピーカーのエッジに相当する部分は対向幅1mm奥行28mmのリング状スリットになっています。このスリットはアコースティックローパスフィルターを形成しており、音響的に充分大きな減衰特性を持っているためスリットから可聴帯域でスピーカー背面の音が漏れて音圧が低下することがありません。
しかもエッジを排除した事で従来スピーカーが振幅時に発生していたエッジによる振幅歪や以上音、エッジの反射による周波数特性上の谷などの問題が解決しています。
振動部はボイスコイルの2箇所で対称に貼られたダンパーによって支持されています。
これによりダンパーの非対称性が打ち消され、かつ直線性が広がりヒステリシス現象も少なくなって、より正確な振動を実現しています。
また、ダンパーの素材も吟味されており、クリープ現象によって長時間の使用でもスリット幅が変化することなく保たれるよう配慮されています。
振動板にはSM(Synthetic Material)コーンを採用しており、高い剛性と内部損失を持つことで分割振動を抑えています。
Aリング(Absorb Ring)と2重ダストキャップ構造によって中高音域の特性を改善しています。
ボイスコイルは230℃にも耐える超耐熱処理が施されており、巻芯紙には高スティフネスで難燃性のエポキシマイカ樹脂が使われています。
このボイスコイルによって振幅的にも電気的にも大入力に耐える設計となっています。
8Ωと16Ωの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
方式 | コーン型ウーファーユニット |
口径 | 20cm |
インピーダンス | 8Ω、16Ω |
周波数特性 | fo~5kHz |
fo | 27Hz ±5Hz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
入力 | 100W(Music) |
磁束密度 | 9,500Gauss |
推奨クロスオーバー周波数 | 3kHz以下 |
実効振動半径(a) | 8.55cm |
振動系の等価質量(mo) | 28g |
振動系の等価Q(Qo) | 0.35 |
マグネット重量 | 630(ALNICO) |
重量 | 3.6kg |