
FOSTEX NF-1A
¥89,800(1台、2000年頃)
解説
NF-1にアンプ部を装備することでトータル・モニタリング思想を追求したアクティブスピーカーシステム。
アンプ部はシンプルな回路構成によって低歪とローノイズを徹底追求しています。また、Bi-AMP構成を採用しており、各ユニットに最適な独立駆動を行うことでユニット間の電気的干渉による音の濁りを排除しています。
電源部には大型Rコアトランスを採用しており、連続負荷時に於いてもパワーアンプ回路の動作を最適な状態に保ち、大音量の使用時にもスピーカー性能を発揮するよう設計されています。
低域にはフォステクス独自のHP(Hyperbolic Paraboloidal)ダイアフラムを用いた16cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このHPダイアフラムは双曲線と放物面によって構成される3次局面構造によって従来の振動板で避けられなかった固有共振を排除し、高い構造強度によるハイスピードな原音追従性を実現しています。さらに、このHPダイアフラムによってワイドレンジ再生も実現しています。
振動板の素材には、木材パルプをベースに超高弾性カーボン・ファイバーやスーパー繊維PBOをはじめとする数々の新材料を複合したものを使用しており、木材パルプの特性を高い次元まで昇華することで、チタンに迫る伝搬速度とPP材に匹敵する内部損失の融合を実現しています。
また、プッシュプルダブルダンパーによる優れた直線性の確保に加え、UDRタンジェンシャル・エッジにより従来エッジで発生していた逆共振を排除し、濁りの無い再生を可能にしています。
高域には2cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。
このユニットにはUFLC振動板を採用しており、ピークやディップの無いフラットな特性や特異なキャラクターの排除を実現しています。
各ユニットは防磁設計となっています。
エンクロージャーはタイムアライメントを重視した設計を採用するに加え、ウーファー、トゥイーター、バスレフポートを集中させた配置を採用することで、良好な位相特性を得るとともに優れた定位再現能力を得ています。
また、エンクロージャーの共振を抑えるため、素材には21mmMDF材を使用しています。特にウーファー部は33mm厚のフロントバッフルを採用することで振動を低減しています。
余分な共振を起こしやすいアンプ部とエンクロージャーリアの間には制振処理が施されています。さらに、電源トランスも防振マウントが施されており、徹底して振動の影響を排除しています。
エンクロージャーの内部には全周波数にわたって均一に定在波を減衰させる独自のHPサウンド・リフレクターを内蔵しています。これによりバスレフポートからの効率的な音放射を可能にし、優れたスピード感と低音特性を実現しています。
設置場所や設置方法によって大きく変化する音響条件に合わせて特性を補正するため、多機能フィルターを搭載しています。
また、より効率的な特性補正能力を確保するためクロスオーバー周波数は5kHzに設定するとともに、補正パラメーターをLo
Freq、Hi-Mid ATT、Hi Freqの3ポイントに設定し、さらに可変範囲±3dBのトゥイーターレベル調整を搭載しています。
XLRタイプとフォーンタイプの入力端子を搭載しています。
機種の定格
方式 | アンプ内蔵・2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式 ・ブックシェルフ型・防磁設計 |
<スピーカー部> | |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型 高域用:2cmドーム型 |
インピーダンス | 8Ω |
周波数特性 | 50Hz~40kHz |
最大出力音圧レベル | 106dB/m(Vol.max、定格入力) |
内容積 | 9.2リットル |
<アンプ部> | |
定格出力 | 低域:60W 高域:60W |
トゥイーターレベル可変範囲 | ±3dB |
高域補正 | +3dB、0dB、-3dB(10kHz) |
中域補正 | 0dB、-3dB(3kHz) |
低域補正 | +3dB、0dB、-3dB(60Hz) |
インプット | バランス:XLR-3-31タイプ(2番ホット) アンバランス:φ6mmフォーン・ジャック |
定格入力レベル | +4dBu(XLR) -10dBV(φ6mmフォーン・ジャック) |
入力インピーダンス | 20kΩ以上 |
クロスオーバー周波数 | 5kHz |
<総合> | |
電源 | AC100V |
消費電力 | 52W |
外形寸法 | 幅240x高さ340x奥行320mm |
重量 | 約11kg(本体のみ) |