オーディオの足跡

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G1302の画像
 解説 

マグネシウム振動板を採用したトールボーイ型スピーカーシステム。

低域には13cmコーン型ウーファーを搭載し、中低域にもコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはフォステクス独自のHR振動板を採用しています。
フォステクスでは独自の振動板技術としてHP振動板があります。このHPはHP Shell(双曲放物曲面)またはHyper Shellと呼ばれている3次曲面構造です。HP構造は同一平面にない2つの線分間を直線で結びながら移動させることで双曲面と放物面が構成される特長を持っています。従来の曲面で構成された振動板と異なり、基本的に直線構造で構成されているため、面内応力としてせん断力のみが存在し、曲げ応力が働かないため高い強度が得られ、振動板の共振周波数が高くなり、従来の振動板に比べてスピード感のある立ち上がりの早い音質が得られます。さらにこの直線は異なる長さで構成されているため特定の定在波が振動板上に立たず、ピークの無いスムースな特性を実現しています。
HR振動板はこのHP振動板に新たな抄紙技術を投入して発展させたもので、高弾性カーボンをはじめ数種類に及ぶ新素材を配合したハイブリッド素材を採用しています。
また、磁気回路にはメインマグネットとブーストマグネットの両方にクラス最大級の直径120mmの大型フェライト磁石を採用しています。
低域と中低域のウーファーは外観は同じですが、ボイスコイルが異なっています。中低域のウーファーには楽器の持つエネルギー感や応答性を追求し、低歪で優れたレスポンスを実現するショートボイスコイルを採用しています。また、低域用ウーファーは広がりと量感のある低域を追求してロングボイスコイルを採用しています。

高域には2.0cmハードドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板には純度99.9%の純マグネシウム振動板を採用しています。純マグネシウムは両立の難しい大きな内部損失と音速を実現した優れた音響用素材ですが、加工が難しいため実用化されていませんでした。フォステクスでは特殊連続温間圧延技術や金型設計、温間深絞り加工技術に加え、素材に特殊樹脂をコーティングしてその潤滑効果によって絞り性を向上させる事で成形に成功しています。
さらに、固有の色付けを排除するためボイスコイルよりドーム先端までの距離が異なる新開発のリッジドームを採用しており、最高域まで大きなピークを発生する事の無い再生を実現しています。

ネットワーク部には低損失のOFC銅箔コイルやコンデンサーなどの素子を採用しており、全ての結線に金メッキスリーブによる圧着処理を行う事で音質への悪影響を排除しています。
さらに、レベルコントロールとして中域のみを調整できるMIDコントローラーを装備しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
G1302のエンクロージャーは内部が上部と下部に分割されたスタガードバスレフ型となっており、それぞれに専用設計のウーファーとバスレフポート(上部55Hz、下部40Hz)を採用する事で量感とスピード感を追求しています。また、台座部分には響きの調整と重量バランスを取った特殊形状のHP錘を備えています。
フロントバッフルには18mm厚のブナ合板を採用しています。また、天板・底板・側板には響きと剛性を考慮して9mm厚の板をあえて貼り合わせて再合板化した18mm厚のパーティクルボードを使用しています。裏板には15mm厚のMDFを採用しています。
外観はフロントバッフルにはサテンシカモア、側板にはブナの柾目天然突板を採用しており、ピアノ光沢塗装仕上げが施されています。仕上げはバイオリンレッドとファゴットブラウンの2色のカラーバリエーションがありました。

入力端子には銅削り出しのターミナルを採用しています。
バイワイヤリングに対応しています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型
使用ユニット 低域用:13cmコーン型
中低域用:13cmコーン型
高域用:2cmドーム型
インピーダンス
周波数特性 40Hz~55kHz -10dB
出力音圧レベル 88dB/W/m
最大許容入力 100W
クロスオーバー周波数 160Hz、1.6kHz
レベルコントロール Mid:+1~-2dB
エンクロージャー素材 ブナ合板(バッフル板)、パーティクルボード(天・底・側板)、MDF合板(裏板)
仕上げ サテンシカモア天然突板、ブナ柾目天然突板、ピアノ光沢仕上げ
外形寸法 幅260x高さ1,050x奥行295mm
重量 31.5kg