
JMLAB ALCOR
¥680,000(1台、1993年頃)
解説
入念なキャビネット設計や高効率ユニットデザインなどの従来の系譜に立ちながら、新たな技術的コンセプトによって音楽再生能力を高めたスピーカーシステム。
低域には新設計の31.2cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはJMラボが特許を持つポリケブラーを採用しています。これはケブラー繊維2枚の間にマイクロスフェアと呼ばれる中空の細かな粒状樹脂を挟み込んだサンドイッチ構造となっており、分割振動を抑えつつ適度な内部損失を確保しています。
また、23.2cmの磁気回路を採用しています。
中域には13cmコーン型ミッドレンジを2個搭載しています。
振動板にはウーファーと同じポリケブラーを採用しています。
高域には逆ドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板はピュアチタンを使用しており、JMラボが新開発したチオキシド(TIOXID)素材を7μ厚にコーティングしています。これにより表面波が同心円状にスムーズに伝搬していくよう配慮されています。また、軽量ボイスコイルをドーム中央に設置してメカニカルなカップリングの効率化を図り、ボイスコイルからのエネルギーを最大限に引き出す設計となっています。
ネットワーク回路はコンパートメント化されており振動からの影響を排除しています。また、プリント基板を用いないポイントtoポイント方式で結線されています。
中域のカットオフ周波数を越える帯域での残留エネルギーが通常レベルの30dB以下まで減衰するよう設計されており、ツィーターやウーファーからの干渉を抑え、よりクリアな再生を可能にしています。
さらに、位相の問題に対処するため独自のデジタル・アライメント技術によって厳密に調整と最適化がされています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
ミッドレンジとツィーターは独立したチェンバーにマウントされており、ウーファーからの影響を低減しています。
外観はブラックラッカーとアニグレート・ウッド仕上げが施されています。
バイワイヤリング接続に対応したスピーカー端子を採用しています。
機種の定格
型式 | 3ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:31.2cmコーン型 中域用:13cmコーン型x2 高域用:2.5cm逆ドーム型 |
周波数特性 | 27Hz~25kHz |
インピーダンス | 4Ω |
耐入力 | 200W 300W(最大) |
出力音圧レベル | 92.5dB |
クロスオーバー周波数 | 300Hz、2.5kHz、18dB/oct |
外形寸法 | 幅390x高さ1,200x奥行465mm |
重量 | 85kg |