Eroica Phoenix70 power amp
価格不明(1960年代中期頃?)
解説
セパレートアンプPhoenix70のパワーアンプ。
出力管には6CA7を採用し、3結化して出力インピーダンスを下げ、さらに強度のNFをかけ、ダンピングファクターを40としています。
6CA7はHi-gmの出力管のため、寄生振動その他の問題がありますが、回路設計と配置配線技術によって安定した動作を実現しています。
6CA7のバイアス回路は固定バイアス方式となっています。
出力トランスには、タムラ製作所特注の方向性冷間圧延銅板(コールド・ロール)使用のトランスを採用しています。
この出力トランスはNFB専用の三次巻線(タムラ製作所特許)を持つため、出力ラインが最悪の負荷状態であっても安定した動作を行います。
位相反転回路は最も平衡度の良いカソード結合型を採用しています。
基本回路はEW-50、EW-50S、Almighty-55と同一ですが、出力段を3結化された6CA7のため、位相反転回路に12BH7を使用し、カソード、フォロアー直結ドライブ型としています。
これによりクリップ時の歪が無くなっており、また、6CA7にグリッド電流が流れても、カップリングコンデンサーに充電されたりしません。
機種の定格
型式 | パワーアンプ |
無歪最大連続出力 | 27W+27W |
出力インピーダンス | 4Ω、8Ω、16Ω |
歪率 | H.D. 0.1%(50Hz、10W時) |
SN比 | -110dB以下(IHFM) |
ダンピングファクター | 40以上 |
周波数特性 | 11Hz~60kHz +0 -0.5dB(10W時) |
入力感度(最大出力時) | 1.2V |
使用真空管 | 6CA7:4本 12AT7:1本 12AU7:2本 12BH7:2本 |