DIATONE DP-EC1mkIII
¥130,000(1980年頃)
解説
DP-EC1mkIIをベースにさらなる改良が施されたフルオートプレイヤー。
電子制御フルオート機構を採用しています。これにより、全てのトーンアームの動作を操作ボタンを押すだけでコントロールが行えます。また、回路には1チップLSIを採用しており、素早く正確な反応を実現しています。
光学システムの応用によるレコードサイズ自動検出機構を採用しています。
この方式では、リフレクターで光を斜め上方から照射し、ターンテーブルシート用リフレクターからセンサーへ光を導く構造になっています。この光はレコードのサイズに応じて照射/遮断され、センサーの出力を変化させます。この出力がロジック回路に送られ、レコードサイズが自動的に検出されます。
この検出されたレコードサイズをもとに、針降下位置や回転速度が自動的に決定されます。
クイックレスポンス機能を搭載しており、アームリフターやアームの状態を常に検知しながら動作しているため、どの位置からでもオート動作をすることが可能です。これにより、アームがオート動作で上昇中/下降中でも、ボタンで次の新しい動作を指示すればただちにその動作に移ります。
ボタン操作には、マイクロスイッチを使用したフェザータッチ式を採用しています。
ノイズをカットするミューティング機構を搭載しています。
トーンアームの共振を抑えるため、針圧ノブとメインウェイトによる構造に、ウェイトケース、ブチルゴムダンパーを加えたアンチレゾナンスフィルターを採用しています。また、ピボットのスパンを拡げることによってパイプ部のガタをなくし、垂直、水平方向ともに高い感度を実現しています。
トーンアームの駆動には、水平/垂直の2方向に独立した専用モーターを採用しています。
トーンアームの材質にはチタニウム合金を採用しています。
アーム内導線、ヘッドシェル導線に、特殊被覆を施したOFC(無酸素導線)を使用しています。
ヘッドシェルにはマグネシウム合金製のヘッドシェルを採用しています。
ターンテーブルの駆動には、水晶発振器の基準信号によってモーターの回転数を制御するクォーツPLL方式を採用しています。
また、駆動モーターには精密に仕上げられた軸受け機構の高トルクDCサーボモーターを採用しています。
キャビネット構造は、ダイカストと木枠とレジナミックを組合わせた構造になっています。
ターンテーブルシートによる再生音への影響を考慮し、形状と材質の両面から検討したターンテーブルシートを採用しています。このシートは、レコードの厚みやソリなどを考慮して僅かにすり鉢状となっており、レコードとの密着性を強めています。また、材質的には、硬度や比重などにわたって検討を重ね充填材入りSBRシートを採用しています。
機種の定格
| 型式 | フルオートプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ方式 |
| モーター | 4相12極クォーツPLL・DCサーボモーター |
| ターンテーブル | 外径333mmアルミ合金ダイカスト製、1.8kg |
| 慣性質量 | 350kg・cm2 |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| 回転数切換え方式 | 電子式(変則回転数時は手動切換え) |
| ワウ・フラッター | 0.011%(WRMS) 0.025%(WRMS、JIS、回転部のみ) |
| SN比 | 80dB以上(DIN-B) |
| <トーンアーム部> | |
| 形式 | スタティックバランス、ユニバーサルS字パイプ形 |
| 全長 | 320mm |
| 有効長 | 227mm |
| オーバーハング | 14mm |
| オフセット角 | 22゜ |
| トラッキングエラー角 | +2.9゜、-1.5゜ |
| 針圧調整 | 0~3g直読式(0.1gステップ) |
| ヘッドシェル | マグネシウム合金、6.2g |
| カートリッジ取付重量範囲 | 11g~16.5g 16g~21.5g(サブ・ウェイト使用時) |
| <総合> | |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 12W |
| 外形寸法 | 幅474x高さ150x奥行395mm |
| 重量 | 14kg |
| 付属 | オーバーハングゲージ 45回転用アダプター サブウェイト ドライバー |