
DIATONE DP-1000H
¥108,000(1986年11月発売)
解説
オプティカルダイレクトアンプやバーティカルクランパ、高剛性設計などの音質を重視した設計がされたCDプレイヤー。
ピックアップ部に新開発のオプティカルダイレクトアンプを搭載したレーザーピックアップを採用しています。
オプティカルダイレクトアンプではレーザーピックアップに直接プリアンプ部を組み込む事で、外部ノイズやリード線の影響を排除しています。さらに、レーザーダイオードからアクチュエーター、ピックアップベース等の細部まで精度を追求する事で、ノイズや誤り率は従来の1/10に減少しています。
独自の防振構造であるバーティカルクランパを搭載しています。
従来のCDプレイヤーでは、音質劣化の原因となるディスクの振動を防止するためにアーム式などの内蔵スタビライザーを用いていました。しかし、この方式だとディスク自身が微妙に偏芯し、ピックアップサーボの負荷が増大する事で(80μの偏芯でトラック約50本のズレになる)オーディオ回路への悪影響が起きます。
この偏芯を防ぐため、バーティカルクランパではディスクを真上から垂直に固定する構造を採用しています。また、振動抑制も同時に強化されています。
一本の制振コラムに貫かれた構造となっており、可能な限り共振空間を少なくするために6cmの高さに設計されています。また、重量は7kgを確保し、徹底して共振を抑え込んでいます。
さらにアルミ押出材を採用したフロントパネルや銅メッキシャーシによる共振分散、独自のフローティング構造などによって徹底した無共振設計としています。
シャーシ構造は4分割となっており、デジタル、アナログ、メカニズム、電源の各回路を導電性の仕切りで区切っています。これによりデジタル回路部からの不要輻射やトランスなどからの電磁的結合によってオーディオ回路部にノイズが混入するのを防いでいます。
デジタルフィルターには4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。これによりアナログローパスフィルターは低次のフィルタを用いる事ができ、構成もシンプルになることで位相遅延が無く低歪なアナログ信号を得ています。
D/A変換部には左右チャンネルが独立したD/Aコンバーターを採用したツインモノ構成となっています。
D/Aコンバーターには16ビット精度の抵抗ラダー型を採用しています。
電源部はアナログオーディオ系と、サーボ系やデジタル信号処理系とを電源トランスから分けたダブルトランス方式によるセパレート構造となっています。これによりデジタル回路やサーボ回路で発生するパルス性ノイズが電源回路を通して混入したり、負荷変動による悪影響が生じるのを防いでいます。
ピックアップの駆動にはリニアモーター方式を採用しています。
位相反転スイッチを装備しています。
絶対位相が逆走で記録されているCD再生時に位相反転スイッチをONにすることで正相での再生が可能です。
ディスプレイには8桁マルチディスプレイ方式を採用しています。
また、ディスプレイオフスイッチを装備しており、オフにする事でディスプレイからのノイズを防ぐ事ができます。
出力端子は通常のピンジャック端子以外にバランス出力端子も装備しています。
また、デジタル出力端子も装備しています。
最大20曲のランダムプログラムや全曲/1曲/A-B/プログラムの4モードリピート、2速マニュアルサーチ、インデックスサーチなどの機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
周波数特性 | 4Hz~20kHz ±0.3dB |
ダイナミックレンジ | 96dB以上(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 94dB以上(1kHz) |
歪率 | 0.003%以下(1kHz、0dB) |
ワウフラッター | クォーツ精度(測定限界以下) |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅425x高さ60x奥行330mm |
重量 | 7.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |