DIATONE VS-900F
¥200,000(1台、1988年頃)
¥186,000(1台、1989年頃)
解説
ボイシング理論を追求したトールボーイ型スピーカーシステム。
VS-900Fでは音の余韻を濁すキャビネット内部の定在波をユニットの配置によって除去しています。
従来のスピーカーでは吸音材を用いて定在波を抑えていましたが、この方式では多くの音響エネルギーも失われていました。そこでVS-900Fでは有限要素法などの解析技術によって得られたユニットの位置関係を元にして設計しており、吸音材を用いずに定在波を防ぐことで自然な音の余韻を損なうことなく定在波による悪影響のみを排除しています。
低域には18cmコーン型ウーファー2個と16cmコーン型ウーファー2個を搭載しています。
これらのユニットの振動板にはLCP(Liquid Crystal Polymer)を採用しています。これは自己補強効果を利用した高速射出成形による高比弾性と大きな内部損失を持つ素材で、振動板として優れた特性を獲得しています。
また、磁気回路にはADMC(Advanced Magnet Circuit)を採用しており、磁気回路内の磁束変動に着目して交流磁界をキャンセルすることで磁気歪を追放しています。
高域には3cmドーム型ツィーターを搭載しています。
このユニットにもLCP振動板を採用しており、低域との音の繋がりを高めています。また、振動板とボイスコイルボビンを一体化したDUD構造とすることでハイスピード化を実現しています。
エンクロージャーは背面R合板などで内部の定在波を低減しています。
また、ユニットレイアウトをインライン配置とすることで大画面テレビと組み合わせた時に画面中央に音を結ぶようにしています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・5スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型 防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:18cmコーン型x2 16cmコーン型x2 高域用:3cmドーム型 |
定格インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 35Hz~25kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
最大入力 | 180W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅320x高さ1,432x奥行410mm |
重量 | 35kg |
付属 | OFCスピーカーケーブル |