DIATONE DS-A3
¥180,000(1台、1994年10月発売)
解説
放送局モニターの血統を継承しながら、人の声のあたたかさや弦楽器の艶やかさなどの音楽表現力も重視したダイヤトーン工房50周年記念モデルにあたるスピーカーシステム。
DS-A3では放送局モニター2S-3003のシステム構成でもあるコーン型2ウェイを採用しています。
また、ウーファーとツィーターの振動板に同一素材を用いることで音の速度を均一とした等音速2ウェイとなっています。
低域には16cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはアラミッド・コーンを採用しています。アラミッド繊維は軽いうえに高い強度を持ち、さらに固有音を抑えて色付けの無い音を再生する理想的な特性を持っています。DS-A3では人の声のあたたかさに肉迫するため、ウーファーではアラミッド振動板を形成していたレジン(樹脂)を廃し、本来アラミッド繊維の持つ強さやしなやかさを高めています。
また、磁気回路には独自のA.D.M.C.-m(Advanced Magnet Circuit-music)を搭載しており、有限要素法を用いた磁界解析を行うことで入力信号から発生する磁界の影響を抑えており、入力に対する応答性に優れ、安定した駆動を実現することでトランジェントの良さと低ひずみを実現しています。
高域にはアラミッド・コーンを用いた4cmコーン型ツィーターを搭載しています。
ネットワーク部は音楽性を重視し、DS-20000に準じる高純度ネットワークが採用されており、さらに各ユニットへのエネルギーバランスを最適チューニングする方法が採用されています。
また、ワイヤリングに関しても金属境界面における歪の低減に着目してハンダ付けを廃しており、無酸素銅スリーブによって圧着ワイヤリングしています。さらに、高品位な再生のために積層オリエントコア、コンデンサ、コイルなど、試聴を繰り返したパーツを使用しています。
エンクロージャーの設計には有限要素法などのコンピューター技術を駆使しており、エンクロージャーの振動を解析することによって得られた数値に基づいて設計することで極めて剛性の高い構造を実現しています。
ユニットを支持するバッフル板は厚さ46mmという分厚さとなっており、ウォルナット突き板仕上げが施されています。また、バッフル両サイドには響きの美しいカナディアン・メイプルの無垢材を採用しており、自然なあたたかみで音楽を響かせるように設計しています。さらにバッフル上端部及び下端部にはウォルナット無垢材を採用するなど、木材の特性を考慮して適材適所の工夫が織り込まれています。
また、美しくスケール感のある音場のためにコントラバスの低減である40Hz台にバスレフ共振周波数をチューニングしています。このバスレフポートの開口部にはウォルナット無垢材から削り出した大型の長円ポートをはめ込んでおり、内部は折り曲げ角ポートとして設計されています。これによりスケール感のある低音再生を可能にしています。
2S-3003にも採用されている大きなラウンド形状のバッフルや高域ユニットまわりの人工皮革などによって音の回折現象や乱反射を防止しています。
入力端子にはバナナプラグが接続できる金メッキ大型ターミナルを採用しています。
別売りで専用のスピーカースタンドがありました。
このスタンドはソファにもたれた際の耳の位置にくるように高さが設計されています。また、素材はスタンド柱中央部に密度が高く響きの美しいカナディアン・メイプル無垢材を用いた三層構造を採用しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型 高域用:4cmコーン型 |
定格インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 35Hz~40kHz |
出力音圧レベル | 85dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 1.5kHz |
最大入力 | 150W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅266x高さ410x奥行290mm ネット付奥行:310mm |
重量 | 14kg |
別売:スピーカースタンド DK-A3(1台、¥40,000) | |
外形寸法 | 幅285x高さ520x奥行320mm |
重量 | 12kg |