DIATONE DS-800ZX
¥65,000(1台、1997年頃)
解説
ハイサンプリング&ハイビットデジタルオーディオへの対応を図ったスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には軽量化アラミッドクロスコーンを採用しています。高強度に加えて適度な内部損失を持つ芳香族ポリアミド系の有機繊維であるアラミッドの特性を発揮するために従来は成形などのために用いていたレジン(樹脂分)を廃し、軽量化に成功しています。この軽量化によってハイレスポンスでS/N比に優れた再生を実現し、さらにレジンを廃したことでアラミッドの大きな内部損失の特徴を活かすことで固有音の低減にも貢献しています。
さらにエッジにはHDサスペンションを採用しています。DS-800ZXではより高いダンピング特性と経時変化の減少に向けて塗布されるダンピング材にも改良が加えられています。
中域には10cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
振動板にはウーファー同様に軽量化アラミッドクロスコーンを採用しており、制振対策を強化するためにエッジにはダウンロール布エッジにダンピング材をプラスしたものを採用し、固有音の減少を実現しています。
また、フレーム部にはHRC(High Rigid Construction)フレームを採用しており、フレームの肉厚と形状で強度を向上させています。
高域には5cmドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板にはボロン化チタン振動板を採用しています。ボロン化チタンは真空炉においてチタン表面にボロンを蒸着、拡散させた素材で、これによって極めて高い比弾性率を獲得しています。この素材の優れた特性を発揮できるようボイスコイルボビンと振動板を一体構造としたDUD構造とすることで低歪化とハイスピード化を実現しています。
フレーム構造にはドーム型という構造自体の利点を活かしたDM方式を採用しており、磁気回路をフレーム化したモノコック構造によって高剛性化を実現しています。さらに、高い低歪化を実現した特殊仕様の絹材タンジェンシャルエッジや、HRCフレームなど独自の制振技術を随所に投入することで分解能に優れた高域再生を可能にしています。
エンクロージャーには密閉方式を採用しています。
また、音の回折現象による音質劣化を防ぐため、2サイド・ラウンドバッフルとしています。
バナナプラグにも対応した金メッキ大型スピーカーターミナルを採用しています。
別売りオプションとしてデザイン的にも音質的にも専用設計されたスピーカースタンドがありました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
定格インピーダンス | 6.3Ω |
再生周波数帯域 | 39Hz~40kHz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 600Hz、4kHz |
最大入力 | 150W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅380x高さ680x奥行295mm ネット付奥行:330mm |
重量 | 25kg |
別売:スピーカースタンド DK-800ZX(2台1組、¥35,000) | |
外形寸法 | 幅380x高さ214x奥行295mm |
重量 | 9kg |